メジャーリーグ・パドレスのダルビッシュ投手が史上3人目となる日米通算200勝を達成しました。その偉業を手作り解説でお伝えします。
■進化し続ける37歳 記録更新まであと4勝 日米で通算200勝を達成
ダルビッシュ投手のすごさを表現すると、ずばり「進化し続ける37歳!」です。
日米で通算200勝を達成したのはこれまで、黒田博樹さん、野茂英雄さん、そしてダルビッシュ投手の3人です。200勝全て先発投手として勝ったのはダルビッシュ投手だけなんです。ダルビッシュが目標としていた松坂大輔さんは170勝でした。
あと4勝で黒田博樹さんの203勝という記録更新となり、本人は向上心にあふれています。「野球のレベルも上がってきてるので、取り残されないように勉強しながら練習していきたい」と話しています。
■“七変化の変化球”「手が小さくても変化球は投げられる」
ダルビッシュ投手といえば最速159キロのストレートを持ちながら、実戦で10種類以上の変化球を投げることで知られています。小学生の頃からボールをどう回転させれば、どっちに曲がるかを自分で研究していたといいます。
身長は196センチとかなり高いですが、変化球を生み出している手は男性の平均より3ミリほど大きいだけで、ダルビッシュ投手も「手が小さくても変化球は投げられる」と話しています。
メジャーの投手は平均で4つの球種を投げますが、ダルビッシュ投手は2倍以上の11種類を駆使しているといわれています。
2020年には、自ら開発したという新しい変化球「スプリーム」を披露しました。ストレートに近い時速150キロのスピードで、縦に18センチ落ちて、ダルビッシュ投手から見て右側に10センチ曲がるといいます。
ダルビッシュ投手の変化球については絶賛する声が多数上がっています。日本ハムでキャッチャーをつとめた鶴岡慎也さんは、「全ての球種がウイニングショット(決め球)」。桑田真澄さんは「すごいボールを投げる先人はいっぱいいたが、“七色の変化球”を投げる人はいなかった」と話しています。
■「若くなってきた」衰えない肉体のワケ
37歳のダルビッシュ投手ですが、衰えを全く感じさせません。その理由は徹底した栄養管理とトレーニングにあります。
4月下旬に負傷者リストに入ったとき、食事やサプリを見直した結果、「体脂肪が3%くらい落ちて、若くなってきた」と話しています。
どんな食事をしているのでしょうか。▼昼食は鶏むね肉に納豆、豆腐、ブロッコリーに具のない蕎麦、▼夕食は品数が増えて、鶏むね肉にサツマイモ、アボカド、豆腐、さらに蕎麦には温泉卵が入りました。高タンパク・低脂質を心がけていることがわかります。
2023年、パドレスはダルビッシュ投手と6年という長期契約を結び、世界を驚かせました。30代後半で6年契約はメジャー史上初。それだけダルビッシュ投手への期待が高いことがわかります。
変化球にこだわり続け、「いろんな変化球を投げたいというのが、自分がずっと(野球を)やっている動機」と公言するダルビッシュ投手。進化の先には250勝も見えてくるかもしれません。
(「サンデーモーニング」2024年5月26日放送より)
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