米大リーグ、ドジャースの大谷翔平が12日(日本時間13日)、メジャー通算175本目となる本塁打を放ち、松井秀喜(元ヤンキースなど)が持つ大リーグでの日本勢最多記録に並んだ。松井が10年間で積み上げた数字に、大谷は7年目で肩を並べたことになる。日本での実績、メジャー挑戦の年齢などが異なり、単純比較はできないが、数字からは「二刀流」大谷の長距離打者としての高い対応力と進化が見て取れる。
「中距離打者」
松井は1993~2002年の10年間、在籍したプロ野球巨人で計332本塁打。この間3度の本塁打王にも輝き、28歳で大リーグのヤンキースへ移籍した。
1年目は本拠地開幕戦で満塁本塁打という華々しいデビューを飾った一方、手元で変化する速球を引っ掛けることも多く、海外メディアから「ゴロキング」と不名誉なニックネームを付けられたことも。本塁打は04年に31本と日本選手で初の30本超えを果たしたが、自らはメジャーでの立ち位置を「中距離打者」としていた。
それでも09年のワールドシリーズでは3本の本塁打を放ちシリーズMVP(最優秀選手)に輝くなど、中心選手の1人としての活躍は多くの人の記憶に残る。12年シーズン途中でレイズから戦力外通告されたのは38歳のとき。同年末に引退を表明した。日米通算本塁打は507本に上った。
渡米4年目に飛躍
一方、大谷は松井が引退した12年のドラフト1位で、プロ野球日本ハムに入団した。日本ハム時代の13~17年の5年間で放った本塁打は48本。入団当時から投手と打者の「二刀流」に取り組み、打席に立つ回数が限定されたこともあり、松井が巨人に入団してからの5年間(128本塁打)を下回る。
18年、松井より5歳若い23歳で大リーグ、エンゼルスに移籍。以降3年間の本塁打は22本、18本、7本と大きく伸びなかったが、メジャー4年目に飛躍を遂げる。21年には46本塁打と、それまで日本選手最多だった松井の年間本塁打の記録(04年の31本)を大きく塗り替えた。さらに23年には終盤、負傷者入りして試合を欠場したものの、44本の本塁打を重ね、アメリカン・リーグで日本選手初の本塁打王に輝いた。
昨年6月に放った第30号本塁打の推定飛距離150・3メートルは昨季の大リーグ最長飛距離を記録するなど、「パワー不足」の印象が強かった日本選手のイメージも覆した。
アジア最多記録も
大谷は現在29歳。今季は試合を経るごとに調子を上げており、「松井超え」以外にも複数の記録に期待がかかる。
メジャー通算200本塁打までは残り25本、アジア出身選手の最多記録を持つ秋信守(元レンジャーズなど、韓国)の218本にもあと43本と迫る。日米通算安打は999(日本296、米国703)で、1000安打まであと1。大リーグ通算87盗塁と節目の100盗塁も間近だ。
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