洗濯物でボールを打ち返す「せんたくテニス」、1メートルの距離をいかに遅くゴールするかを競う「100cm走」、500歩しか歩くことが許されない「500歩サッカー」。11日、東京都墨田区で「ゆるスポーツランド2024」が開催され、300人を超える参加者が様々な“ゆる~いスポーツ”を楽しんだ。
“ゆるスポーツ”は、運動が苦手な人でも体が不自由な人でもスポーツが楽しめるようにと、世界ゆるスポーツ協会によって発案され、現在ではその競技数120以上。イベントだけでなく企業の研修や教育現場などでも広く活用され、競技人口は25万人超えと全国各地で広がりをみせている。同協会で代表理事を務めている澤田智洋氏は、「勝ったとしても負けたとしても楽しかったねって、どちらも笑って帰れるような本来の遊び的なスポーツ」と説明する。
例えば、「スピードリフティング」はウエイトリフティングをモチーフにしたチーム対抗で行う競技。制限時間内に磁石で接合された特殊なバーベルをどれだけスピーディーに上げ下げ出来るかを競う。タイミングが合わなければバラバラになってしまうため、チームの結束力が勝敗を左右する。
「トントン“ボイス”相撲」はその名の通り、声で戦うトントン相撲。「トントン!」と大きな声を出すと土俵が上下に動く特殊な装置で力士を動かす。そのため大きく早く“声を出す”ことが勝利の鍵を握る。実際に体験した親子は、2分を超えるまさかの“長相撲”に。ハキハキと大きく声を出し続ける息子と、顔を真っ赤にして戦うお母さんの姿に、会場は笑いに包まれた。
その中で特段目を引いたのがイモムシのようなウェアを着てラグビーをする"イモムシラグビー"だ。移動方法は転がるかほふく前進で、所定のエリアにボールを運ぶと「イモムシトライ」となり得点が入る。従来のラグビーのような激しいタックルなどは一切なく、プレイヤーの動きもゆっくりであるため、年齢や性別による体格差、運動能力などは関係なく、皆が同じ条件で楽しめる。参加者は「イモムシになった気分です」「スポーツは苦手だが、ゆるスポーツはめっちゃ得意、楽しかった」とゆる~い時間を満喫したようだ。
代表の澤田智洋氏は、「ゆるスポーツランドは笑いに溢れるイベントで、スポーツで勝負がついた時のように歪みあわないので、真の意味でスポーツが平和に貢献できる」と話し、「オリンピックでもパラリンピックでもない、第3のスポーツの祭典として、このゆるスポーツランドみたいなのものがどんどん大きくなると面白い」と新たな可能性が広がっていくことを願った。
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