「人生をかけて臨んでいる」B2リーグのプレーオフ・クォーターファイナル第2戦、体を張ったディフェンスで勝利に貢献した滋賀レイクスの田原隆徳選手は、こう振り返った。負ければシーズンが終わる青森ワッツとの大一番。自分自身のリミッターを外して、一人の戦士となり、戦いに挑んだ心境を端的な言葉で表した。

 ブースターが、ホーム・ダイハツアリーナを大声援とともにレイクスブルーに染めたこの試合。鬼気迫る表情でゲームに臨んでいたキーファー・ラベナ選手が、(Bリーグ)キャリアハイの30得点をマーク。選手全員が心と体に火をつけた滋賀レイクスは、第2戦を制すると、続く第3戦も勝利。まさかの敗戦を喫した第1戦から、見事に立ち直って、SF(セミファイナル)へと勝ち進んだ。

 西地区王者として臨みながら苦しんだクォーターファイナル。その原因を、チームを率いるダビー・ゴメスHC(ヘッドコーチ)は、こう説明する。「試合が始まって最初の5分間、我々のファールはわずか一つ。とてもプレーオフを戦うチームの姿ではなかった。プレーオフは、レギュラーシーズンとはまったく別物。プレー強度も相手のマインドも違う。第1戦は、(ゲームの)入りの部分で後手に回ってしまった。プレーオフに臨むその覚悟を、青森ワッツさんに気付かせていただいた」

 その滋賀レイクスが、5月11日から、B1復帰をかけたまさに“生きるか死ぬかの戦い”プレーオフのセミファイナルで山形ワイヴァンズと対戦。

 決戦を前に、キャプテンを務める柏倉哲平選手は、こう語る。「クォーターファイナルでのブースターさんの応援の音量、熱量はすごかった。(特に、あとがない状況の中で)僕たちに今まで感じたことのない、ものすごいエナジーとパワー与えてくれた。セミファイナルでは必ず勝利して、ブースターさんと共に喜びを分かち合いたい」

 クォーターファイナルで選手全員の心に火を灯すのに重要な役割を果たしたベテランの眞庭城聖選手は、「このチームは、チーム一丸となって戦うチーム。僕は、ロースター(試合に出場するメンバー)に入るか入らないかに関係なく、チームビルディング、ウィニングカルチャーの構築に貢献するのが自分の役割だと思っていた。だからこそ、第1戦の後、チーム内で発言させてもらった。山形は古巣でもあるので感慨深いものもあるが、滋賀の方が絶対いいチーム。SF(セミファイナル)は、緊張感をもってやれば、絶対勝つと思っている」

 SFの相手、山形ワイヴァンズは、レギュラーシーズンでは4戦4勝の相手だが、激闘のクォーターファイナルを乗り越えた今、選手や首脳陣は警戒を怠らない。ゴメスHCは「プレーオフとレギュラーシーズンの成績はまったく関係ない。青森(ワッツ)がそのことに気づかせてくれた。とにかく試合開始からフィジカルにアグレッシブに戦う。それができれば目標は達成できると信じている」と語った。

 2戦先勝の、このシリーズ。勝ち抜けば、来シーズンのB1復帰が決定する。クラブとしても、選手としても、まさに人生をかけた戦いが、ついに始まった。

 【B2リーグプレイオフ SF(セミファイナル)】※2戦先勝で勝ち抜けば、来シーズンのB1昇格が決定

 5月11日(土) 滋賀レイクス 対 山形ワイヴァンズ  14時TO
 5月12日(日) 滋賀レイクス 対 山形ワイヴァンズ  14時TO
 5月13日(月) 滋賀レイクス 対 山形ワイヴァンズ  19時TO
 ※会場は、いずれも滋賀ダイハツアリーナ

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