フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルに出場した日本人選手が10日、フランスから羽田空港に帰国し、取材に応じた。

メダルは「悔しかったので…すぐしまった」

男子2位の鍵山優真(21、オリエンタルバイオ/中京大)は、「悔しかったので表彰式が終わったらすぐ(メダルを)しまった」と、優勝を逃した悔しさをあらわにした。今大会はショート・フリーの両方で4回転サルコウにミスがあり、さらに自身では「頑張っていたつもり」と話すステップやスピンでも思うような評価を得られなかった。

獲得した銀メダルを掲げる鍵山優真の内面は…


フリーだけで見れば優勝したイリア・マリニン(米国、20)を抑えトップの得点だったが、手応えは「全くない」という。「結果より自分が出来なかった悔しさの方が大きい。チャンスを掴めないのが自分にまだ足りない力」と分析した。それでも課題の4回転フリップを今季初めて成功させるなど(前回の成功は3月の世界選手権)、今後に向け明るい兆しも見えた鍵山は、「自分にとってこれから成長できる良い経験になったと、今は前向きに捉えています」と話した。

金メダルがとれない状態で「もうすぐ噴火しそう」

その鍵山が次戦に迎えるのは、12月20日(金)に開幕する全日本選手権(大阪)。これまで鍵山は全日本選手権を始め、世界選手権やGPファイナルでも優勝経験が無く、長らく銀メダルに甘んじてきた。羽生結弦さんや宇野昌磨さんが競技者を引退した今、改めて目指すのは「表彰台の一番上」。
「全日本選手権でも他の試合でもなかなか金メダルがとれない状態で、金メダルに対する欲が深まってきている。もうすぐ噴火しそう」と報道陣の笑いを誘いつつも溢れんばかりの闘志をにじませた。

「全日本選手権で今まで突き当たってきた壁を破りたい」次の舞台へ意気込む


2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を1年2か月後に控えた今季は、そのプレシーズンに当たる。五輪出場枠をかけた世界選手権への出場権を獲得するという意味でも、全日本選手権の優勝はなんとしても掴みたいところだ。

日本のエースとして

「全日本選手権で今まで突き当たってきた壁を破りたい。全日本選手権は一番緊張する舞台、そこで自分のベストパフォーマンスを出して次に繋げて行けたら」
日本のエースに成長した21歳が、さらなる飛躍を誓う。

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