サッカーJ2昇格をかけたプレーオフはまさに激闘だった。クラブ初の勝負に臨んだJ3・福島ユナイテッドFC、戦い抜いた先に見えたものは?

◇明治安田J3リーグ・J2昇格プレーオフ準決勝・12月1日サンプロアルウィン
<福島ユナイテッドFC 1-1 松本山雅FC>

決戦の舞台は、長野県松本市。まさに、圧倒的アウェー!その中で選手たちの心強い存在が福島から駆けつけたサポーター。
福島サポーター:「勝ってJ2上がりたいっていう気持ちで(スタジアムに)来ました」「絶対勝ちたいです!J2行ってほしいです」
福島から約500人のサポーターが駆けつけた。

離れていても、気持ちは一つ。福島でもパブリックビューイングに多くの人が駆け付け、会場は熱気に包まれた。

プレーオフ準決勝、相手は過去6戦で五分五分の戦いを繰り広げてきた松本山雅。負けられない戦い、最初に流れを引き寄せたのは福島だった。
前半10分、左サイドを突破した森からのクロスに合わせたのは、樋口!豪快にゴールネットを揺らす。「どんな形でも点を決めないと0点では僕らの負けだったので、どんな形でも決めたかったんで、入って良かったです」と樋口選手が話す。

守備も固め、前半は1対0、福島リードで折り返す。
パブリックビューイングの会場では「この体育館の中は寒かったんですけど、みんなの声援で暑いです」と話す福島サポーター。

「勝つ」ことが絶対条件の福島。しかし、後半に入ると相手に攻め込まれる場面が多くなる。そして、後半20分…コーナーキックを獲得した松本に同点に追いつかれる。
選手たちも、サポーターも「昇格」に向けて全力で戦い続けたが、試合は1対1で終了。リーグ戦上位の松本が決勝進出。最後まで戦い抜いた福島の選手たち、J2昇格への道は来シーズン以降へと持ち越しとなった。

サポーターは「祈りが通じなくて申し訳ない。来年もっと応援して、来年は絶対昇格しましょう」「きょうはとても残念なんですけれども、来年J3優勝という楽しみができたと思って、変わらず応援続けていきたいと思います」と話した。

鳴りやまない、福島コール。選手も監督もサポーターの思いを受けとめていた。
福島ユナイテッドFC・塩浜遼選手は「この悔しい気持ちをしっかり自分の今後に生かせるように噛みしめていました。難しい展開自身も、自分たちの中で楽しみながらプレーっていうのは出来たと思うんで、今シーズンずっとチームとして意識した部分は表現出来たかなと思います」と話し、寺田周平監督は「プレーオフという独特の雰囲気だったかなというところは、プレーに出てしまったかなと思います。まだまだ結果的に力が足りなかったっていうことなので、またそこは来シーズンに向けて課題かなと思っています」と話した。

引き分けの場合、リーグ順位が上の松本が決勝に進出するプレーオフルール、これが福島に立ちはだかった。ただ昨シーズン15位から初のプレーオフ進出、大躍進のシーズンだった。チーム全体が勝ちにこだわる気迫が今年のチームにはあった。
だからこそその悔しさ、応援を続けてくれたサポーターへの感謝を監督や選手たちは、涙を流しながら言葉にした。

寺田監督は勝ち切れなかった課題として「前半の守備で体力を使いすぎた」「相手の陣地でボールを動かせなかった」などアウェーの雰囲気で、攻め急いでしまったことを挙げていた。「プレーの質をあげなければJ2の壁を超えられない」という言葉が印象的だった。

J2昇格への戦いは始まっている。
来シーズンの開幕は、J2・J3ともにこれまでで最も早い2025年の2月15日。J1は14日。開幕試合は、今シーズンと同様全38試合で、年間の対戦カードは12月13日に発表される。「カチ」を耕すことを貫く福島ユナイテッドをこれからも応援しよう。

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