静岡県伊東市の川奈ホテルGC富士コース(6494ヤード、パー71)を舞台に、4月19~21日に行われた女子ゴルフの第42回フジサンケイレディスクラシック(フジテレビ、産経新聞など主催)は、21歳の竹田麗央の史上4人目となるツアー初制覇からの2週連続優勝で幕を閉じた。22歳の小林光希が自己最高の2位に入るなど若手の活躍が目立つ中、29歳の石田可南子が健闘をみせた。
欠場者が出たための繰り上げ出場だったが、もっとも遅い午後1時すぎのスタートだった初日、69で回って6位発進。待っている間にスコア速報を見つめ、「このホールはボギーが多い」などと多くの情報を頭に入れて結果につなげた。2日目も「行きたい気持ちと守りたい気持ちをうまくコントロール」して回り、スコアを1つ伸ばして6位で決勝ラウンドに進んだ。最終日はイーブンパーで、通算3アンダーの14位に食い込み、賞金114万4000円を獲得。「伸ばせはしなかったが、スコアを落とすことなく終われて一安心」と笑顔を浮かべた。
5月6日で30歳となる石田だが、実は昨年のプロテストに9度目の挑戦で合格したルーキーだ。父親と男子ツアーを観戦したのをきっかけに11歳でゴルフを始め、ツアープロを目指してきたが、狭き門をなかなか突破できなかった。
年齢を重ねる中、「ゴルフをしてきたのを形に残したい」とティーチングプロの道も考えるようになり、3年前から講習会を受講。プロテスト合格後もその思いは変わっておらず、今季はツアーや下部ツアーと並行してティーチングの講習にも参加し、資格取得を目指す予定だ。「教える側もうまいプロになりたい。理論も話せて、打っても(見本を)見せられる。そこはこだわりたい」と話す。
「当たって砕けろ」の気持ちで臨んだプロとしてのツアー初陣。「プロテストのような、吐くようなプレッシャーから少し解放され、チャレンジしてみようかという環境。やっとそこに身を置けたことをうれしく思う」としみじみ語り、最終日のラウンドを終えた後には「またこういう場所でプレーし、土曜、日曜と決勝ラウンドを回りたい」と決意を新たにした。
新人なら緊張するはずの取材エリアでも表情は穏やかで、言葉選びも巧みだった。5月6日の誕生日について触れられると「迎えたくないです、ルーキーで30歳って」と苦笑したが、「ここを目指して頑張っている人たちの勇気につながれば」とも。プロを断念する選手を多く見てきた中で、オールドルーキーとなった自身が果たす役割も認識している。30代から始まる本格的な競技生活に大いに期待したい。(運動部 奥村信哉)
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