大谷翔平選手が「指名打者」専任としては初のMVPを受賞。獲得に至った理由とは?
■メジャー史上初「DH」でのMVP もう1回MVPとれば歴代単独2位に
MVPの受賞は今回で3回目となる大谷翔平選手。
これまで3回受賞した選手は、エンゼルス時代のチームメイトであるM・トラウト選手や、A・ロッドことロドリゲス選手、J・ディマジオ選手など合わせて11人います。
その上にいるのは、7回も受賞しているバリー・ボンズ選手だけ。
大谷選手がもう1回MVPを取れば、歴代単独2位となります。
■「DH」としてのMVP受賞はメジャー史上初 何が凄いのか?
これまではピッチャーとの二刀流での成績が評価されての受賞でしたが、今回凄いのは、「DH=守備に就くことのない“指名打者”」専任としてメジャー史上初めて選ばれたことです。
このDH制は、2022年に「大谷ルール」と呼ばれる変更がありました。
ピッチャーとして先発した場合、降板した後もDHとして試合に出続けることが可能になり、二刀流で打席に立つ機会が増えたのです。
一方で、MVPの選考では「走攻守」の3つが揃っていることが重視されるため、守備に就かないDHの選手は圧倒的に不利となります。
例えば、2006年のMVP候補になったD・オルティス選手は、今シーズンの大谷選手と同じくホームランと打点の二冠を獲得し、打者としては申し分ない成績を残していましたが、MVPは獲得できませんでした。
では大谷選手は何が違ったのでしょうか。
■守備はなくても“走り”で評価 今シーズンは「史上初づくし」
この時、オルティス選手の盗塁は1でしたが、今回、大谷選手は59盗塁。
「走攻守」のうち「守備」はなくても、「走り」の評価で大幅にプラスになったわけです。
今季は“史上初”づくしとなった大谷選手。
ホームランと盗塁数の「50-50」を初めて達成。
最も優れたバッターに贈られる「ハンク・アーロン賞」を両リーグで受賞したのも初。
リーグをまたいでの2年連続MVPというのも史上初めてです。
肘の手術により、今季は二刀流を封印してきた大谷選手。
来シーズンは、野球界の常識を破って、最も優秀なピッチャーに贈られる「サイ・ヤング賞」を手にする姿が見られるかもしれません。
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