■全日本ターゲットアーチェリー選手権大会(26日、東京・江東区 夢の島公園アーチェリー場)

アーチェリーの日本一を決める全日本選手権が行われ、6大会連続五輪出場を果たした古川高晴(40・近畿大学職員)が決勝トーナメント2回戦で敗れ、25年の競技生活に別れを告げた。

古川は15歳でアーチェリーをはじめ、競技歴4年で2004年のアテネ五輪に初出場。12年ロンドン大会で個人銀メダル。21年東京大会では個人・団体で銅メダルに輝き、今年のパリ大会で日本勢最多タイとなる6大会連続出場を果たした。

今月21日に現役引退を表明。6度目の日本一をかけて最後の公式戦に挑んだ。予選ラウンドは6位で通過。決勝トーナメント初戦の第1セットは0-2でリードを奪われるも、「負けてても焦ってはいけない。高い得点を出して取り返す」と今までと変わらない試合運びで追い上げ6-4の逆転勝ち。2回戦では近畿大学出身で後輩の辻昇平(25・笠子流通)と対戦したが、4-6で敗れた。それでも現役最後の一本は満点の10点を射抜きオリンピックメダリストの意地を見せた。古川の雄姿を見守った観客からは温かい拍手が送られた。

試合後古川は「終わってみないとどんな気持ちになるか分からないと思っていましたが、温かい拍手に気持ちが本当に温かくなりました」と語り、「僕にとってアーチェリーとは自分自身を成長させてくれるものでした」と25年間の競技人生を振り返った。今後は近畿大学のコーチとなり指導者の道を歩む。「技術を教えるだけでなくて選手の気持ちに寄り添って指導することが大切だと思うので勉強していきたい」と第二のアーチェリー人生に向けて決意を新たにした。

■古川高晴(ふるかわ・たかはる)
1984年08月09日生まれ、40歳。青森県青森市出身、 近畿大学職員。
15歳でアーチェリーをはじめ、12年ロンドン五輪個人で銀メダル。21年の東京五輪では個人と団体で銅メダルを獲得。パリ五輪は夏季五輪での6大会連続出場を果たし、96年アトランタ大会から16年リオ五輪まで代表だった馬術の杉谷泰造と並ぶ日本勢最多タイの記録となった。

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