メジャーリーグ全30チームの頂点を決める「ワールドシリーズ」がいよいよ始まり、大谷翔平選手や山本由伸投手が所属するロサンゼルス・ドジャースと、ニューヨーク・ヤンキースが対戦します。過去に2度ワールドシリーズ制覇の経験がある田口壮氏(カージナルス、フィリーズ)が10月22日のMBS番組に出演し、アメリカでのワールドシリーズの注目度や体験談。名門同士の対決の行方の予想を独自目線で語りました。
大谷選手と山本投手は“持っている”選手
―――大谷翔平選手にとっては悲願のワールドシリーズ進出。山本由伸投手も加入初年での進出。田口さんは、2人とも『持っているな』という感想ですか?
田口さん「そうですね。大谷選手は強いチームを求めてドジャースに行って、自分の力で(チームを)ワールドシリーズに導きました。やっぱりすごいなと思いますし、チームが勝ったというのも持っているなと思います。山本投手はおそらく自分がパフォーマンスを発揮できるチームで選んでドジャースに行ったと思うんですけど、1年目からワールドシリーズに出られるというのは、やっぱり『持ってるな』と思います」
―――山本投手はオリックスでも活躍をされていましたが、これだけドジャースでも活躍すると予想されていましたか?
「予想はしていました。もうルーキーの頃から見てるので。そっからトントン拍子に上がっていったんですよね」
―――山本投手のことは2軍時代から見てらっしゃる
「(山本投手が)2軍で最初の先発したときに、2軍の監督でした」
―――その時からもうメジャー行く感じはあったんですか?
「パフォーマンス的にはありましたね。すごく周りが見えているピッチャーで、驚きばっかりです」
―――『周りが見えている』とは?
「最初にランナーを出したときに、サードベースコーチャーがセットに入ったときに動いたんですよ。癖をわかったと思うんです。その後、サードベースコーチャーの動きを見て牽制して、ランナーをアウトにしました。すごく冷静でした」
移動距離なんと約4000km!3時間の時差!その間選手はどう過ごす?
―――ロサンゼルスで1、2、6、7戦目をやって、ニューヨークで3、4、5戦目を行う。その距離3970kmで時差が3時間ある。飛行機での移動ですが、なかなか選手たちは大変ですね
田口さん「飛行機での移動時間が大体5~6時間ぐらいあると思います。楽なのは、チーム関係者以外誰とも会わないところです。チャーターバスで飛行機の下まで行って専用機に乗って、ロスの空港でまたチャーターバスが待っているのでそれに乗り込んで、そこからもう白バイの先導で。全部信号無視です」
―――移動の間は、皆さんどんなことをしているんですか?
「お酒を飲んだりとか、中にはギター弾いてる選手もいましたし、ゲームしている選手もいます」
―――田口さんご自身はどう過ごしていましたか?
「僕はアメリカ時代、吉本新喜劇のDVDをずっと見ていました。それが唯一の癒しです」
ドジャースVSヤンキース アメリカで“一番盛り上がる”カード
―――さあワールドシリーズ、まずはチケットの入手が非常に困難だということです。公認の転売サイトによりますと、一番安いチケットが20万円、一番高いチケットが715万円です。
「この対戦は特にそうですね。アメリカでは一番盛り上がる対戦ですよね。(今回このカードだから値段が特に高いことも)あると思います。このカード誰もが見たい、誰もが望んでる。」
―――選手や家族は席を貰えたりするのですか?
「家族席は一応あります。選手はポストシーズンに入る前に、前もって全部席を押さえています。何枚、何席押さえますと言えば、最後まで全部押さえてくれます。いらないときは選手間で売り買いする」
―――盛り上がりすぎて警察が先導するというのは?
「白バイが先導してくれるので、信号を全部止めて、横から入ってくる車両は全部バイクで止めていってノンストップで。今回ニューヨークに行くじゃないですか。マンハッタンのど真ん中の高級ホテルにドジャースの選手たちは泊まりますから。空港からマンハッタンまで、道を止めて走る」
―――ファンにも違いがあるということですね。ヤンキースファンは「アグレッシブ」。ドジャースファンは「上品」。東と西でそんなに違いますか。
「そうですね、僕がプレーしていた経験上やっぱり東へ行くとアグレッシブ」「西の方がおとなしいというか上品というか。おそらく移民が多いので、そういうところに関係あるかなと」
―――ニューヨークより北にあるボストン・レッドソックスのファンはいかがでしょうか。
「レッドソックスは特にアグレッシブです。2004年にレッドソックスと試合をしたんですけども、バスを揺らされましたから。チームバスをがーっと揺らされて。家族の乗っていたバスなんか、倒れるんじゃないかっていうぐらいでした」
勝者の証「チャンピオンリング」報奨金は会議で決める
―――ワールドシリーズを制覇したら、勝者の証「チャンピオンリング」という指輪をもらえるということですが、田口さんは2006年のカージナルス、2008年のフィリーズで2つ所有されています。
―――これは球団からもらえるということですか。
「はい。もらえます。名前も背番号も入っています」
―――チャンピオンリングにはダイヤがたくさんついていますが、ダイヤの数には何か意味があるんですか?
「フィリーズのリングは、その年に勝った数のダイヤがついています。この年は100個以上ついています」
―――優勝賞金は全選手に出ますか?
「1人数千万円にもなることもあります。一年間通してベンチにいた人で会議があるんですね。その中で誰がいくらもらえるかというのを決めます。フルシェア、ハーフ、4分の3、4分の1、ゼロもあります。裏方さんももらえますが、裏方さんは全選手まんべんなくケアをしていないと、誰か一人でも欠けると選手が『あいつにはやらなくていい』ということもあって議論になります、シェアミーティングといいます。」
―――さらに!ホワイトハウスからの招待もあるんですね。レッドソックスで上原投手らは行っていました。田口さんは行ったことはありますか?
「いえ。この招待がいつも1月20日前後で、僕は日本でトレーニング中なのでなかなかこの時期は行けない。渡米するのがいつも2月の中頃でしたので、いま思えばめちゃくちゃ行きたかったです。今思えば、なかなか大統領に会えることなかなかない」
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