「足が一番の武器」そう語るのは、50mを5秒8で駆け抜け「走攻守」三拍子揃う、九州産業大学のリードオフマン浦田俊輔(22)だ。22年の秋から5季連続で福岡六大学のリーグでベストナインを獲得。最終年には春秋通じてMVPも受賞した。

高い身体能力のルーツを探ると、それは家族にあった。父・秀明さんは野球、陸上、近代五種を経験し、100mのベストは10秒7台で走る。母・智美さんも九州文化学園高では、バレーボール部で全国制覇するなど、まさにスーパーアスリート一家。息子も小学5年時には、世界で戦える選手を育成する「福岡県タレント発掘事業」のメンバーに選ばれた。

幼少期の浦田選手

このプロジェクトの修了生8人が今年のパリ五輪に出場し、全国大会優勝者は99名、国際大会にも67名も輩出している。浦田自身もここで、バレー、スキー、ホッケー、ソフトボール、フットサル、レスリング、空手など様々なスポーツを経験。

「色々な競技をする中で、野球に繋がる経験ができたので、凄く自分のものになりました。みんな自分が一番と思って入ってくるので、負けず嫌いですし、元々自分も負けず嫌いではあったので、更にいい刺激になりましたね」と浦田は語った。

そんな浦田を普段からサポートするのも家族の存在だ。試合中、父・秀明さんは左打者の浦田の打撃を撮影するため、三塁側でカメラを向ける。母・智美さんはバックネット裏から全体を撮影。打席が終わるとその映像を家族のグループLINEで共有。さらに父は映像を何度も再生しながら一塁到達までのタイムをストップウォッチを持って計るなど、試合が終わった後に息子が振り返る事が出来るようにしている。

「仕事が休みの時とかは試合を毎日見に来てくれたり、撮影してくれることで、その日の試合の反省ができて、次の試合に繋げやすいっていうのがあります」と家族のサポートに感謝を示した。

父・秀明さんは「指名してくれる球団があれば、そこに全力で自分の力を出して頑張ってもらうっていうところ。また、そのプロ野球でも活躍して、どこまでその上に登っていけるかというのを追求して頑張ってもらいたい」と期待を寄せ、母・智美さんは「小さい時からずっと夢だったので、プロ野球選手になりたいという、ずっと口にも出しても言っていましたし、努力もしてきたので、その夢が叶うといいなと思っています」と息子の夢を祈った。

「家族が一番の支え」と語る浦田。その家族にプロになって最大の恩返しをする事が出来るか。運命のドラフト会議はいよいよ明日行われる。

◆浦田俊輔(うらた しゅんすけ)
2002年8月30日生まれ22歳。右投左打。長崎県出身。身長170cm、体重70kg。ポジションはショート。海星高時代の2年夏に甲子園に出場し、8番・遊撃で3回戦進出。福岡の九州産業大学に進学し、通算打率.394。22年秋から5季連続ベストナインに選出。24年春と秋にはMVPを獲得している。理想の選手は阪神の近本光司。尊敬する選手には日米通算4367安打のイチロー氏。

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