ラグビーの元日本代表でワールドカップ(W杯)3大会に出場した39歳のSH田中史朗(東葛)が24日、東京都内で記者会見し、今季限りで現役を引退すると表明した。「17年間という長い現役生活だったが、最高に幸せな時間だった」と言葉を詰まらせた。
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「この小さな体でここまでプレーできたこと、新しい日本の歴史を築けたことは誇り」。あふれそうな涙をこらえて現役生活を振り返った言葉には、166センチという小さな体で日本を飛躍させた自負があった。
初出場の2011年W杯は1分け3敗。帰国した空港にファンはいなかった。「日本のラグビーが終わってしまう…」。抱いた危機感を原動力にして、13年に日本人で初めて南半球最高峰のスーパーラグビーでプレー。迷いのないタックルで猛者に食らいつき、体の小さい日本人でも渡り合えることを証明してみせた。
その後、多くの選手が後に続き海を渡った。田中の果敢な挑戦は、日本が15年W杯で南アフリカを破るなど歴史的3勝を挙げ、母国開催の19年W杯で初のベスト8入りを果たし、世界へと飛躍していく礎を築いたといっていい。
引退後はチームのアカデミーで指導者の道を歩き始める。「将来的には日本代表のヘッドコーチをやりたい」。39歳の夢は大きい。「厳しさがないと世界には勝てないと体感した。選手と何でも話せる指導者になっていきたい」。喜怒哀楽に満ちた現役時代の経験が武器になる。(石原颯)
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