広島カープは、苦しい戦いが続いた9月もようやく終了。うれしいことも、くやしいこともあった週末(9月27日~29日)の3連戦を振り返ります。

9月27日(金)広島 vs. 阪神(マツダスタジアム)

試合前、来日したばかりのドミニカアカデミーの練習生と東京オリンピックの事前合宿地の誘致でドミニカ共和国と縁のある北広島町の子どもたちとのふれあいの時間が設けられました。

2位・阪神との一戦の先発は、大瀬良大地 。この日、現役引退を表明した先輩・野村祐輔 の登場曲でマウンドに上がります。

その立ち上がり、2アウトからヒットとフォアボールで満塁のピンチを招きます。しかし、ここで踏ん張った大瀬良はなんとか無失点で切り抜けます。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「粘り切りました。ここでゼロで行けたのは非常によかったですね」

ピンチの後にチャンスあり。直後の1回ウラ、カープ打線は2アウトながら三塁・二塁のチャンスを作ります。

ここで打席には5番・坂倉将吾 。甘く入った初球を見逃しませんでした。タイムリーツーベースで2点を先制します。

天谷宗一郎 さん
「苦手といわれていた 阪神・大竹耕太郎 投手からまずは1つ目のチャンスをつくってしっかりと打点を挙げた。本当によかったです。流れるような攻撃ができました」

援護をもらった大瀬良はその後、立ち直り、バックの守備にも助けられ、3回から6回まで4イニング続けて阪神打線を三者凡退に退けるナイスピッチング。先発の役目を果たします。

大瀬良大地 6回0/3 球数102 被安打3 失点1

そして、試合は延長戦に突入し、迎えた12回ウラ。新井貴浩 監督は、代打攻勢で勝負をかけます。1アウト・二塁、一打サヨナラの場面で代打に送られたのは、9月、スランプに苦しむ 末包昇大 。

末包の気持ちと、ファンの願いを乗せた打球は、ライトの頭上を越えるサヨナラタイムリーツーベース!

天谷宗一郎 さん
「力みなく振り切りました。ナイスバッティングでした」

カープは今シーズン、4度目のサヨナラ勝ちで連敗を4で止め、引退を発表した野村にはなむけとなる白星を送りました。(広島 3X-2 阪神)

広島カープ 末包昇大 選手
「本当にきょうの1勝は大きいものだと思います。望みがある限り戦い続けますので、応援よろしくお願いします」

9月28日(土)広島 vs. 巨人(マツダスタジアム)

マジックを1とした首位・巨人の広島での胴上げを阻止したい新井カープ。先発は、10勝を挙げながらも5連敗中の 森下暢仁 でした。

0対0で迎えた4回、森下は、2アウト・三塁・一塁のピンチで7番・門脇誠 に先制タイムリーを打たれてしまいます。

天谷宗一郎 さん
「投球はインサイドを続けて、しっかり投げ切っているんですが、これは打ったバッターをほめなければいけないですね」

9月初の連勝を目指すカープは、直後の攻撃。1アウト・二塁で坂倉。この日、2本目のヒットでリーグトップの14勝を挙げている巨人の先発・菅野智之 からチャンスを作ります。

2アウト・三塁・二塁となり、6番・菊池涼介 。ストレートをとらえ、レフト前へ。菅野との同学年対戦を制し、同点に追いつきます。

天谷宗一郎 さん
「初球ですけど、ここでしっかりと初球を振り抜ける勇気ですよね。こういう姿勢は若い選手に見習ってほしいなと思います」

1対1で迎えた6回、100球を超えた森下。一塁にランナーを置き、4番・岡本和真 との勝負。左中間へ勝ち越しの2ベースを打たれてしまい、6回途中で降板となります。

森下暢仁 5回1/3 球数105 被安打8 奪三振3 失点3

その後、8対1で迎えた9回、2アウト。マウンドには守護神・大勢 が登場します。

実況
「初球を打っていった。しかし、(ゴロを)セカンドが捕ってファーストへ。3アウト。ゲームセット。読売ジャイアンツ、4年ぶり39度目のリーグ優勝をつかみました」(広島 1-8 巨人)

1か月前まで首位を争っていた巨人に目の前で胴上げをされてしまったカープ。くやしさを胸に刻みつつ、クライマックスシリーズ(CS)でリベンジする挑戦権を得るための戦いが続きます。

9月29日(日)広島 vs. 中日(マツダスタジアム)

ホームゲーム5連戦、ラストカードの中日戦―。初回に先制を許しますが、そのウラの攻撃。NPB通算1500試合目の出場となる先頭の 秋山翔吾 が、節目の試合でいきなりツーベースヒットを放ち、チャンスを作ります。

天谷宗一郎 さん
「いい準備ができていました」

続く打席には、9月月間打率3割の2番・矢野雅哉 。打球は、ファーストのグラブをはじき、タイムリーヒット。

天谷宗一郎 さん
「ラッキーな部分はありましたけれど、コンパクトに(バットを)振ろうという意識がすごく見えました」

さらにチーム打点王・小園海斗 がチャンスでしっかりと犠牲フライを放ち、勝ち越しに成功します。

一方、投げては “ドラ1” ルーキー・常廣羽也斗 が登板。毎回のようにランナーを背負いながらも最少失点で切り抜けると、粘りのピッチングで6回を8安打2失点に抑え、プロ2試合目のマウンドでもしっかりと先発としての役割を果たします。

常廣羽也斗 6回 球数94 被安打8 奪三振3 失点2

天谷宗一郎 さん
「しっかりと修正能力が前回よりもついてきていると思うので、自信にしてほしいです」

この常廣の好投を勝利につなげたいカープでしたが、リリーフ陣が一発攻勢に泣き、セ・リーグワーストタイの月間20敗目…。(広島 3-4 中日)球団ワースト記録を更新するも、3位・DeNAとのゲーム差は1.5と、まだプレーオフへの望みはつながっています。

  ◇  ◇  ◇

石田充 アナウンサー
ヒーローインタビューの回数を競う「ヒーローダービー」、貴重な金曜日の勝利を呼びました。サヨナラヒットを放った 末包昇大 選手が、ヒーローでした。9個目ということで、野手の中では非常に多い数ということになりました。

ヒーローダービー(広島カープ)

アドゥワ誠 4
床田寛樹 7
塹江敦哉 1
益田武尚 1
森下暢仁 8
島内颯太郎 2
大瀬良大地 6
九里亜蓮 7
森浦大輔 1
黒原拓未 2
栗林良吏 1
玉村昇悟 4
森翔平 1
常廣羽也斗 1

秋山翔吾 8
野間峻祥 3
矢野雅哉 10
松山竜平 3
田村俊介 1
坂倉将吾 4
宇草孔基 2
石原貴規 2
小園海斗 12
末包昇大 9
田中広輔 1
會澤翼 1
上本崇司 1
菊池涼介 4
羽月隆太郎 1
堂林翔太 1
二俣翔一 1
J・シャイナー 1
中村貴浩 1

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