■プロ野球 広島1ー8巨人 (28日 マツダスタジアム)

巨人が優勝マジック「1」で迎えた1戦で広島に勝利、4年ぶり39度目(1リーグ制を含めると48度目)のリーグ制覇を決めた。球団2度目の2年連続Bクラス(22年・4位、23年・4位)となる不名誉な記録から頂点を奪還した。阿部慎之助監督(45)は就任1年目で優勝を飾り02年・原辰徳監督以来、22年ぶり球団6人目の快挙を達成した。阿部監督は現役時代の背番号と同じ10度、マウンド付近で宙を舞った。

試合は相手先発・森下に対し、初回2死一、二塁も、5番・坂本のところで二塁走者・吉川がけん制アウトで好機を逃す。

先発の菅野は中5日で今季24度目の登板、リーグ単独トップ14勝で3敗、リーグ3位・防御率1.70。今季の広島戦は3度目、2勝0敗、防御率0.87でセ・リーグの対戦球団別では最も相性が良い。

立ち上がりは、先頭の秋山を門脇の失策で出塁を許すも、犠打失敗や併殺打で先制許さず。2回の菅野は先頭の坂倉に右中間への二塁打を浴びるも、後続をいずれも外野フライに打ち取る。

3回は両チーム三者凡退で迎えた4回表の攻撃、先頭の吉川が左前安打、岡本和は捕邪飛、坂本は左飛も、ワイルドピッチがあり2死二塁。浅野は右前安打でつなぐと、門脇がインコース高めを引っ張ると打球は一、二塁間を破る先制打となり1-0。

しかし直後の4回裏に、矢野に左前安打で先頭出塁を許すと、1死から坂倉を迎えたところで盗塁を決められ、坂倉には右前安打を浴びるなどして2死二、三塁。ここで菊池に左前適時打を浴び1-1の同点に追いつかれる。

それでも菅野が5回に先頭打者に安打を浴び1死二塁のピンチを切り抜けると、6回表に先頭の吉川が左前安打で出塁。続く岡本和は左中間を破る適時二塁打で2-1と勝ち越し。さらに2死一、三塁から小林が右前適時打を放ち3-1と2点差に。

7回には3番手・黒原に対し、先頭の丸が四球を選ぶと、犠打、吉川が4打席連続安打となる右前安打で一、三塁から岡本和が2打席連続となる2点適時二塁打を放ち5-1。2死からは増田大が左中間へ適時二塁打を放ちこの回一挙3得点で6-1と突き放す。

大量援護をもらった菅野は6回、7回と連続で三者凡退。8回もマウンドに上がると、途中出場の林を空振り三振、1番・秋山には右前安打を浴びるも、後続を内野ゴロに打ち取る。

9回の攻撃は1死一塁で岡本和が左中間へ二塁打を放つと、坂本、増田の連続適時打で8-1。岡本和が3打席連続の二塁打を含む、4安打3打点の活躍をみせるなど16安打8得点の猛攻で相手投手陣を攻略した。

9回裏は2番手・高梨が登板し2つのアウトを奪い、ここで守護神・大勢が登板しリードを守り切りゲームセット。菅野は8回119球6安打4奪三振1失点の好投で2018年以来6年ぶり、通算3度目の15勝(3敗)を挙げた。

≪今シーズンの巨人 優勝への歩み≫
巨人は開幕カード・阪神戦で勝ち越すも4月6日に今季最多借金2となった。だが直後に6連勝を飾り4月を貯金1で終える。その後は5月24日・阪神戦(甲子園)で戸郷が史上89人目ノーヒット・ノーランを達成するも一進一退の戦いが続き貯金2で交流戦へ入り、6連敗を喫するが交流戦を8勝9敗1分で乗り切った。

7月6日・中日戦(前橋)で先発・井上が8回無失点の好投で凱旋勝利を挙げる。そこからチームは今季最長7連勝し阪神、広島、DeNAの4球団でつばぜり合いの戦いを繰り広げ、球宴前の前半戦は貯金8で5年ぶりに首位ターンした。

7月末から甲子園100周年の阪神3連戦で3連敗するが以降は3連敗することなく順調に勝ち星を重ねていく。驚異的に躍進してきた広島とデッドヒートとなり、首位に立ち2ゲーム差で乗り込んだ今月10日からマツダスタジアムでの3連戦で3連勝、18日に優勝マジック「9」を点灯させる。

歴史的な大失速の広島にに代わり昨年の覇者・阪神が9月2度の5連勝で追ってくるが1ゲーム差で迎えた大一番23日・阪神戦に代打・坂本が放った決勝打の1点を4人に投手陣が守り切り、稀にみる混戦となったセ・リーグを制した。

◆投手陣では昨季わずか4勝に終わった菅野が完全復活、開幕からビジターでリーグ記録となる10連勝を含む15勝を挙げ牽引した。初の開幕投手を務めた戸郷は3年連続の12勝をマークし安定したピッチングを披露。船迫、高梨、バルドナードに守護神・大勢らの救援陣も大崩れすることなくシーズンを乗り切った。チーム防御率2.47で阪神と並びリーグ1位、総失点374はリーグ最少。また吉川と門脇の二遊間を中心に守備力も光り、失策数57はリーグ最少(最多はDeNAの90失策)だった。

打撃陣は岡本和は開幕から全試合4番を務め27本塁打、83打点とともにヤクルト・村上に次ぐリーグ2位の記録をマーク、自己最多となる21の勝利打点を挙げ勝負強さも見せた。開幕から固定されなった3番には新外国人ヘルナンデスが交流戦から合流し打率.294、本塁打8、打点30と躍動するも8月中旬に離脱。だが新戦力モンテスに復調した吉川が中軸を担い、19歳の2年目・浅野が8月14日・阪神戦(東京ドーム)で満塁弾を放つなどレギュラーに定着し打線に活気をもたらした。

【巨人 就任1年目での優勝監督】
36年秋 藤本定義
43年  中島治康
61年  川上哲治
81年  藤田元司
02年  原辰徳
24年  阿部慎之助

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