年末年始に花園ラグビー場で行われる第104回全国高校ラグビー大会の地方予選がスタート。北海道では、南北海道大会・北北海道大会の準決勝が行われ、それぞれの決勝進出2校(計4校)が決まりました。
北北海道大会では1回戦で、強豪の旭川龍谷に勝利した旭川・空知合同(芦別、富良野、羽幌)が、過去8回の花園出場の経験を持つ名門・中標津と対戦しました。
広い北海道、集まっての練習は月1回程度、夏合宿を含めても多くは組めなかったという合同チーム。それでも、チーム一体となって押し気味に試合を進めます。前半15分、FW陣がモールを押し込んだ後、BK陣に素早く展開して先制のトライ。ゴールも決めて7点をリードします。しかし、中標津もさすがは名門チーム、慌てず反撃します。
前半24分に1トライを返して2点差に迫ると、後半の25分には、BK陣が巧みにボールをつないで逆転のトライ。ゴールも決めて12対7、5点のリードを保ったまま、試合はロスタイムに突入します。
それでも、合同チームはあきらめませんでした。中標津のタッチキックのミスをついて反撃に転じると、FW陣が一塊となって中標津ゴールラインに迫ります。そして試合終了間際の33分、ペナルティーからの早い仕掛けでFB苫米地愁選手(羽幌高校)がトライ、土壇場で同点に追いつきました。さらに、プレッシャーのかかるコンバージョンキックをフッカーでキャプテンの中川稜琉選手(羽幌高校)が、鮮やかに決めて14対12。旭川・空知合同が、劇的な逆転劇で合同チームとしては初めての北北海道大会決勝進出を果たしました。
もう1試合は、前回大会の優勝校・遠軽が古豪・北見北斗を圧倒します。試合開始5分で先制のトライを奪った遠軽。FW陣の素早い集散とBK陣のスピーディーな攻撃で、最後まで北見北斗に付け入るスキを与えませんでした。後半20分を過ぎてから1トライこそ許したものの、60対7の快勝で決勝進出を決めています。
南北海道大会では、102回大会で初出場を果たし、前回大会も決勝に勝ち残った立命館慶祥と花園大会に過去3度出場の函館ラ・サールが激突。予想どおりのしまった展開となります。昨年は、同じ準決勝で立命館慶祥に接戦の末敗れた函館ラ・サール。立ち上がりから気迫十分に立命館慶祥陣内に攻め込みます。そして前半5分には先制のトライ、ゴールも決めて7点のリードを奪います。しかし、その後は立命館慶祥が反撃、今度は函館ラ・サールを22メートルラインの内側にくぎ付けにして攻め込みます。それでも、函館ラ・サールは、しっかりと前に出る、その上で最後まであきらめない粘り強いディフェンスで得点を許しません。逆に、前半終了間際、BK陣の大きな展開からトライを奪って、14対0と立命館慶祥を突き放しました。
このトライで試合の流れをつかんだ函館ラ・サール、後半に入っても勢いが止まりません。後半10分には、自陣からのスピード抜群のライン攻撃でWTB宮澤羽琉選手がトライゴールも決めて21対0として、勝負を決定づけました。最後まで集中力を切らさなかった函館ラ・サール。ライバル立命館慶祥を無得点に抑えて、見事、昨年のリベンジに成功。決勝進出を果たしました。
もう1試合は、札幌山の手が、昨年の全国大会にも出場した留学生、タレマイトガ・ウルイラケバ選手の圧倒的な突破力をはじめ、一人一人が縦への強さを見せて1回戦の札幌厚別戦に続く2試合連続の100点ゲームで札幌清田に圧勝。22回目の全国高校ラグビー大会出場にむけて王手をかけました。
決勝戦は、今週末の9月28日(土)、札幌市の月寒屋外競技場で南北海道大会、北北海道大会の順で行われます。
第104回全国高校ラグビー大会、花園への切符を手にする最初の代表校は、札幌山の手か函館ラ・サールか?旭川・空知合同が、前回大会の優勝校を撃破して合同チームとして初めての北北海道代表の座を射止めることができるのか?聖地HANAZONOを目指す決戦が、いよいよ始まります。
▼第104回全国高校ラグビー北海道大会 準決勝
【北北海道大会】
遠軽 60-7 北見北斗
旭川・空知合同 14-12 中標津
【南北海道大会】
函館ラ・サール 21-0 立命館慶祥
札幌山の手 101-0 札幌清田
▼第104回全国高校ラグビー北海道大会 決勝戦
9月28日(土) 月寒屋外競技場(札幌市)
【南北海道大会】
札幌山の手 対 函館ラ・サール 11時KO
【北北海道大会】
遠軽 対 旭川・空知合同 13時KO
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