■高校野球女子選抜 3ー17 イチロー選抜 KOBE CHIBEN(23日、東京ドーム)

高校野球女子選抜と4度目の対戦となった「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」は17対3で勝利、通算成績も4勝0敗となった。先発したイチロー(50)は9回、141球を投げて、被安打10、奪三振10、四死球3、失点3だった。打撃では6打数4安打。“3番・レフト”松坂大輔(44)は5打数1安打2打点、“4番・センター”で今回初出場した松井秀喜(50)は2打数2安打1本塁打4四球だった。

試合後、ヒーローインタビューに現れたイチローは1回に4連打で3点を失った場面は「1回の女子の攻撃を見て、ビビりました。で、スイッチが入りました。僕ら今日全力で、とにかくもう点取れるだけ取ろうって、そういうスイッチになりました」と気合が入ったと語った。そして、9回被安打10、141球の熱投には「びっくりしました。だって普通にいいヒット打ってるじゃない。10本だよ。僕、元々ピッチャーやっていて、10本打たれたことってあんまりないんすよ。高校時代までですけど、まあぶったまげちゃったね」と高校女子野球のレベルアップに舌を巻いていた。

イチローからレフトオーバーのツーベースを打った2番・井戸穂花(東海大学付属静岡翔洋)は「当たった瞬間にちゃんと芯で捉えられたな、捉えれたなって思ったんで、超えるかなと思ってたら超えてたんでめっちゃ嬉しかったです」と笑顔を見せた。

そして、2点タイムリースリーベースうを放った5番・原田京佳(広陵)は「自分もイチローさんから絶対ヒットを打ちたいと思ってたので思い切りストレートに張って、振った結果がスリーベースになったので良かったです」とイチローのストレートを狙って打ったことにイチローは「貼られても打てないような球を投げるように精進します」と口にした。

イチローから111キロのスライダーで空振り三振を奪った谷蒼依(京都外大西)は「フルカウントだったのですごく緊張したけど、指にかかったので良かったです」と笑顔を見せた。一方のイチローは「振り返りたくない!三振したくないんですよ僕」と嫌がっていたが「そうねあの拭う形で三振したのは西武球場で(西武の)西口(文也)さんのスライダーにやられたときだけですね。それと同じ形になりました」と会場からは笑いが溢れた。

そして9回に東京ドームで20年ぶりのホームランを放った松井は「回ってこないってもう完全に気を抜いてたんですよ。そしたらなんかね、来ちゃったんで、なんかここはやっぱりちょっと意識しないといけないなとホームランをね、というスイングでいきました」と意識した一撃に、イチローは「いや、僕あんまり感情的になる選手じゃないんすよ。感情は持っているんだけど、それを殺して良いことも悪いことも殺してきたんですけど、人のプレー見て涙が出たのは初めてかもしれないです」と松井のホームランに感動していた。

松坂は「僕だけ(ヒットを)打ってなかったんで、(9回に初安打で)松井さんに繋いだ僕をもっと褒めてください」とイチローに懇願していた。

高校女子野球選抜と4度目の対戦を振りかえってイチローは「今日また、強烈に感じたんですけど、何が一番好きかって、女子選手たちの野球への敬意を最も感じる試合なんですよ。僕はいろんなレベルで野球してきましたけど、これだけ野球への敬意、相手への敬意、チームメイトへの敬意、お客さんに対する感謝の気持ち、これほど詰まった野球を僕は知らないです。だから、僕はもう自分の体が元気でいる限り、女子野球を応援したいと今日も心から思いました」と熱く語った。

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