9月3日から中東のヨルダンを舞台に行われていたハンドボールの男子ユースアジア選手権で、若き日本代表(U-19)が躍動。中東の猛者たちを次々と打ち破った後、決勝戦で東アジアのライバル韓国を下して見事に優勝。10回目を迎えたこの大会で初の栄冠に輝きました。

 関東・関西・九州など全国の強豪校から集まった選手たち。若き日本代表は、数回にわたる強化合宿をへて、アジア王者を決定する決戦の地・ヨルダンに降り立ちました。

 開催国のヨルダン、そしてインドとの3チーム総当たりによる予選ラウンドを2戦全勝の1位で突破すると、8チームが4チームずつに分かれて準決勝進出を争うメインラウンドに進みました。メインラウンドは、クウェート・バーレーン・カタールという中東の強豪国と同じグループに入る組み合わせ。クウェートに惜敗したものの、バーレーンとカタールに勝利して2勝1敗。3チームが並ぶ混戦の中、3チーム間の得失点差で上回って、グループ2位で準決勝進出を果たしました。

 準決勝では、予選ラウンド、メインラウンドと一度も敗戦することなく勝ち上がってきた強豪国サウジアラビアと対戦。序盤にリードを奪ったものの、完全アウェーの中、じわりじわりと追い上げられる苦しい展開となります。それでも、試合終盤の大事な場面で、大会のMVPにも輝いたエースの大橋真人選手(藤代紫水高校)が鮮やかなシュートを決めて突き放すと、リードを保ったまま30対27で勝利。強豪を打ち破って決勝戦に駒を進めました。

 決勝戦の相手は、日本がメインラウンドで敗れたクウェートに準決勝で完勝して決戦の舞台に進んできた韓国。接戦が予想されましたが、前半は、日本のディフェンスがよく機能して、15対8と6点のリードを奪います。しかし、さすがは前回大会も含めてこの大会で過去3度の優勝を経験している韓国。後半に入ると、強靭なフィジカルを武器に、15分までに19対17と2点差まで追い上げます。それでも、日本の選手たちは慌てませんでした。GKの小幡駿陽選手(北陸高校)がペナルティースロー(7mスロー)をふせいでピンチを脱出すると、この試合で最多の9点を挙げた古澤宙大選手(駿台甲府高校)が貴重な得点を奪って、粘る韓国を振り切りました。最後まで全員がハードなディフェンスを続けた選手たち。韓国に一度も逆転を許すことなく26対24で勝利。見事、初めてのユースアジアチャンピオンに輝きました。

 キャプテンを務めた石原幸樹選手(神戸国際大付属高校)が「現地や日本からの連日の皆さんの応援のおかげで、悲願の初優勝を成し遂げることができました。世界選手権でもいい報告ができるように頑張りたい」と語った若き日本代表。栄冠に輝くとともに、上位4チームに与えられる2025年度の第11回男子ユース世界選手権の出場権を獲得しました。なお、大会MVPには、前出の大橋真人選手、ベストセブンに古澤宙大選手と南城魁星選手(富岡高校)が選出されています。

【ハンドボール男子U-19代表 優勝メンバー(背番号・氏名・所属校)】
1  小幡駿陽(北陸)
2  本多大地(小松明峰)
3  北川魁(北嵯峨)
4  大村優羽(粉河)
5  古澤宙大(駿台甲府)
6  沖啓成(不来方)
7  山口十瑳(国学院栃木)
8  藤井悠輔(藤代紫水)
9  村田大希(不来方)
10 秋吉快生(千原台)
11 大橋真人(藤代紫水)
12 阿部竜士(浦和学院)
13 南城魁星(富岡)
14 石原幸樹(神戸国際大付属)
15 赤嶺尚太朗(興南)
16 安水昂大(国分)
17 太田晴斗(藤代紫水)
18 赤堀星斗(総社)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。