首位・巨人とのゲーム差も、4位のDeNAとのゲーム差も気になり始めた広島カープ7連戦の後半。9月15日(日)は、ドラフト1位ルーキー・常廣羽也斗 がみごとなデビューを飾りました。
9月13日(金)阪神 vs. 広島(甲子園球場)
4連敗で気がつけばゲーム差なしで迎えた3位・阪神との甲子園2連戦。カープ先発は、大瀬良大地 。1点リードの2回、不運な当たりが続き、満塁のピンチを背負うと、1番・近本光司 に押し出しのフォアボールを与え、同点に追いつかれます。
さらに4回にも2アウト・三塁・一塁のピンチで再び近本。初球を弾き返され、勝ち越しを許します。
大瀬良は今シーズン最短の5回途中で降板。
大瀬良大地 4回1/3 被安打9 失点5
カープは5連敗で3位転落となってしまいました。(阪神 7-3 広島)
9月14日(土)阪神 vs. 広島(甲子園球場)
この日は、打線をがらっと変えて臨みます。0対0の4回、2年ぶりの2番起用・坂倉将吾 。長打で出塁すると、3番の 堂林翔太 が手堅く送りバントで1アウト・三塁とチャンスを広げます。
迎えるは、プロ2度目の4番起用・野間峻祥 。新井さい配がみごと的中。頼れるベテランがしっかり仕事をこなし、犠牲フライで1点を先制します。
さらに6回、1アウト・三塁・二塁で再び4番・野間。セカンドゴロの間に三塁の 秋山翔吾 がホームへ。野間はこの日、2打点の活躍。4番起用に応えます。
先発は、今シーズン3度目の阪神戦の 森翔平 。6回を3安打無失点。2勝目の権利を手に入れます。
森翔平 6回 球数86 被安打3 奪三振5 失点0
しかし7回、中継ぎ陣が乱調。さらにミスも絡んで追いつかれます。
9回は、イニングをまたいだ 黒原拓未 がサヨナラのタイムリーを許し、今シーズン、ワーストの6連敗。(阪神 4-3 広島)
2位・阪神とのゲーム差は「2」に広がりました。
9月15日(日)広島 vs. DeNA(マツダスタジアム)
日曜は、広島に戻って4位・DeNAと対戦。カープファンの拍手に迎えられてマウンドに上がったのは、ドラフト1位ルーキー・常廣羽也斗 でした。
広島カープ 常廣羽也斗 投手
「1軍で投げられるチャンスをいただけたので、自分はしっかり自分らしいピッチングをするだけだなと思っています」
常廣のプロ初登板・初先発は、チーム連敗脱出を託されるマウンドとなりました。注目が集まる中の第1球、147キロのストライクを奪うと、2球目もストレート。ファームで磨きをかけた直球でDeNAの1番・梶原昂希 を追い込みます。
最後は常廣の武器フォークで空振り三振。ドラフト1位があいさつ代わりの三球三振で最初のアウトを奪います。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「緊張感があったと思うんですが、すばらしいピッチングでした」
しかし、その後、連打から2アウト・ランナー三塁・二塁とピンチを招き、迎えるバッターはプロ12年目・35歳の 宮﨑敏郎 。フルカウントになりますが、最後は見逃し三振。初回を無失点で切り抜けます。
天谷宗一郎 さん
「落ち着いていました。ナイスボールでしたし、ここぞというときに投げるストレート・フォーク、すばらしかったです」
ピンチのあとにはチャンスあり。そのウラの攻撃、2アウト・ランナー二塁・一塁で打席には5番・小園海斗 。「常廣がピンチで踏ん張っていたので、先制することができてよかったです」と2点タイムリーツーベースを放ち、連敗脱出へカープが先制します。
天谷宗一郎 さん
「フォアボールの後の初球、そこを迷わず振り抜くのが、やっぱり小園選手のよさです。ぞんぶんに出してくれました」
さらにランナー三塁・一塁とし、9月、苦しい打席が続く7番・末包昇大 。低目の変化球をレフト前に運び、6試合ぶりのタイムリー。
天谷宗一郎 さん
「強引にならなかったです。ここで追加点を取るというバッティングに変えたところがよかったです」
続く8番・菊池涼介 もタイムリーを放ち、この回、4得点の猛攻。
天谷宗一郎 さん
「つながりました。若い選手がつくった流れにベテラン選手も乗りました。ナイスバッティングです」
その菊池は3回、守備でも常廣を助けます。ノーアウト・ランナー三塁・二塁のピンチでオースティンのライナーをジャンピングキャッチ。
天谷宗一郎 さん
「今、振り返ると、これが抜けていたらわからなかったんじゃないかと。本当にチーム、そして常廣投手を救いました。ビッグプレーです」
7-1で迎えた勝利投手の権利がかかる5回。常廣が正念場を迎えます。満塁のピンチで9月の打率が4割超えの 桑原将志 との勝負。ここはサード・小園。先輩野手の好守に助けられ、ピンチを脱しました。
常廣は毎回、得点圏にランナーを背負いながらも5回1失点の1軍デビューとなりました。
常廣羽也斗 5回 球数92 被安打7 奪三振4 失点1
天谷宗一郎 さん
「すばらしいピッチング。流れが悪い中だったと思うんですけれども、“らしさ” を出してくれました」
その後、6回に菊池のダメ押しとなるスリーランホームランが飛び出し、この日、10点目を上げます。
最後は、マツダスタジアム初登板の 長谷部銀次 がしっかり抑えてゲームセット。(広島 10-2 DeNA)
常廣は、球団の新人では2017年の 矢崎拓也 以来となるプロ初登板・初勝利を挙げ、チームの連敗を6でストップしました。
広島カープ 常廣羽也斗 投手
― ナイスピッチングでした。
「ありがとうございます。序盤に先輩方が大量点を取ってもらえたので、自分らしく腕を振ることができました。これからもまた勝ちを積み重ねられるようにがんばっていきたいです」
◇ ◇ ◇
青山高治 キャスター
プロ初登板・初勝利…
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
終始、落ち着いていたというのが印象的です。本当に6連敗で、初登板がマツダスタジアムですごく緊張感があったと思うんですが、そういったこともなく、すばらしい立ち上がりのまま、ランナーを背負いながらでしたけども粘り強く投げてくれました。
青山高治 キャスター
その状況で勝つところにスター性というか、さすがドラフト1位って感じます。
田村友里 キャスター
しかもチームのみなさんも今回、「常廣投手のために」みたいな思いをすごく感じたんですけど、やっぱりそういうところってあるんですか?
天谷宗一郎 さん
あると思います。ルーキーを守ってあげなきゃいけないっていう思いはあったと思うんですけど、6連敗ってときに常廣投手となると監督もドキドキしていたと思うんです。それも含めて野手陣が救ってくれたと思います。
青山高治 キャスター
野手陣から「とにかく点を取る」「とにかくしっかり守る」っていう思いを感じました。
天谷宗一郎 さん
そうですね。ビッグプレーが続きました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。