“直接打撃” 制の「フルコンタクト空手」―。この過酷な競技でみごと国際チャンピオンに輝いた高校3年生が広島にいると聞いて、取材してきました。
新極真会 大濱道場―。全国レベルの選手たちとともに稽古で汗を流すのは、高校3年生の 古庄正樹 。
ことし7月、国内外から3700人以上の猛者が集う「カラテドリームフェスティバル2024国際大会」高校生男子重量級で5年ぶりに国際チャンピオンに返り咲いた実力者です。
身長173センチ、体重83キロ。鍛え抜かれた筋肉はもちろんのこと、足の裏にも努力の跡が垣間見えます。
広島皆実高校 3年 古庄正樹 くん
「きょうの練習も、毎週毎週やっているんですけど慣れることがないので、すごくきついです。みんなと一緒にできるのもあって、みんなに負けちゃいけないって気持ちもあるし、『強くなったかな』っていう実感があるので、それがモチベーションになっています」
個人競技のイメージが強い空手。しかし、古庄くんの話には、“仲間を意識した言葉” が多く出てきます。
古庄正樹 くん
― 空手の好きなところは?
「だんだんやっていくうちに仲間たちがすごくできて、輪が広がって、1人だとできないこともみんなと一緒にやって、みんなと一緒に勝つっていうのがすごくうれしいし、楽しいです」
“空手仲間” の1人でもある、この人は…
正樹 くんの父親 古庄英行 さん
「一番の息子です」
古庄正樹 くん
― どんなお父さん?
「おもしろいお父さんです」
― お父さんはライバル?
「全然、そんなことないです(笑)」
父親 古庄英行 さん
「負けんようにがんばっているんですけど、ボコボコです(笑)」
いまや親子で空手に取り組む古庄家ですが、一番最初に空手を始めたのは3つ上のお兄さん、弘人さん。そのお兄さんにあこがれ、4歳のときに自身も空手を始めました。
記念すべきデビュー戦(2010年)。小さい身体に大きな赤いマスクをかぶっているのが、古庄くん(当時4歳)です。結果は、開始3秒で1本負け…。
しかし、いまも古庄くんを指導する 島本一二三(かずふみ)さんは、当時の印象をこう語ります。
新極真会 大濱道場 島本一二三 師範代
「幼稚園のころから強い子がいるなって、勢いのいい元気な子がいるなっていうのは感じていました。稽古にどん欲に、とにかくがむしゃらにできる子なので、顔を見て、雰囲気を見て、『この子は将来、世界で活躍する子だな』っていうのは感じていました」
初めてトロフィーをもらったのは4歳のとき。島本さんの言葉どおり、すぐに頭角を現した古庄くんですが、前回、中学1年生で優勝してから今回の王座奪還まで5年の歳月を要しました。
広島皆実高校 3年 古庄正樹 くん
「すごくきつい期間で、なかなか優勝っていうのに届かなくて、くやしい思いが続いていたんですけど、高校3年生の最後に優勝できて、すごくうれしいです。高校生で優勝して、そこからのスタートだと思うので、ここから大人の部に行けるような優勝だったと思います」
来年、大学生になり、さらなる強豪選手たちと出会うことになる古庄くんにとっては、ここからが本当のスタート。目指す先は1つです。
新極真会 大濱道場 島本一二三 師範代
「無差別級の世界チャンピオンっていうのが、われわれの空手界では最高峰の舞台ですので、そこで世界一を必ず獲ってもらえるように日々、伝えています」
正樹 くんの父親 古庄英行 さん
「もう、やっぱり世界チャンピオンになってほしいですね、大人の大会で」
古庄正樹 くん
「ここからどんどん全日本や世界大会に向けて、次もまた優勝できるようにがんばります」
◇ ◇ ◇
小宅世人 アナウンサー
「負けず嫌い」と語る古庄くんですが、空手が大好きで、「夏休みの思い出は?」と聞くと「空手です!」と返ってくるくらい、空手一本なんだそうです。無差別級世界チャンピオンをめざす古庄くんの今後に期待です。
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