熱戦が繰り広げられている夏の高校野球ですが、熱中症対策として、ことしの夏の大会では初めて、試合を午前と夕方に分け、一番暑くなるお昼は休みとする「2部制」が導入されました。

また高野連は試合時間を短縮するために、「7回制」の導入も検討しているということです。

20日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、『猛暑の甲子園 伝統も命も守る対策は?』というテーマで、出演者が熱中症への対策を出し合った中で、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さんは「秋開催」を提案しました。

■提案「甲子園にドーム」「涼しい地方開催」そして「秋開催」

番組出演者からは、「甲子園球場に開閉式ドームを設置」する案や、「涼しい地方球場で開催 ベスト4から甲子園開催にする案」などが出される中、橋下徹さんは「甲子園は外せない。時期をずらして秋にする」ことを提案しました。

【橋下徹さん】「『甲子園』っていうのは絶対外せないと思います。僕は高校時代にラグビーやってたんですけど、『花園』なんですよ。長居競技場だったらダメなんですよ。それはなぜかというと、(ことし100年目の)甲子園の大会で、ずっとそこで積み重なってきたドラマがあった上で、“目に見えない価値”みたいなものがあるんですよ。だから甲子園は絶対外せない。

 なんですが、ドームを設置する案は現実に対象になったんですが、甲子園サイドが現実的にちょっと難しいと。現地建て替えをやらないといけなくて、プロ野球の試合もあるので。閉めなきゃいけないとかなると、もし本当にドームをやるんだったら、公費を充てて税金でやらないと無理だというのが、一応甲子園側の言い分。僕は本当はこれが一番ベストだと思います。それができないんだったらどうするかというと、時期をずらすしかないと思うんです」

■「日本の季節を変える。10月、11月ぐらいまで『夏』って言い張ったらいい」

【橋下徹さん】「熱中症に関して今年から『熱中症警戒アラート』の基準ができていますよね(※夏の高校野球期間中、7日の開幕から21日まで毎日、熱中症警戒アラートが発表されている)。熱中症警戒アラートは、暑さ指数で33になると出るんです。暑さ指数は温度と湿度など合わせて出される指数なんですけど、31になると運動は原則中止なんです。熱中症警戒アラートは指数33だけど、甲子園やっている。

 熱烈な甲子園ファンの方は、『夏』ってなるじゃないですか。昔の夏は気温が30度ぐらいかな。そうすると秋がそれぐらいだから、日本の季節を変えたらいいんじゃないの。だから10月、11月ぐらいまで『夏』って言い張ったらいい。9月開催でも『夏』開催だと」

ところで熱中症対策は各チームでやっていますし、団体もやっています。

【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「部活指導をやっている知り合いの方に聞くと、もう十分対策をやっていると。現場にいる指導者は特に暑さのことは分かっているので、徐々にクーリングタイムが導入されたり、対策がされている。7回制みたいな話がいま出ていますけど、やっぱり球児たちの声としては反対。そこはなんとか9回を死守して欲しいと。ある強豪校の監督さんも、ベスト8までは地方でやっていいんじゃないか、甲子園だけは死守したいからベスト4から甲子園でやるのでもいいんじゃないかという声は実際に聞かれています」

球児や関係者の声ももちろん大切にしないといけないでしょう。

■「教育のプログラムから変えて、『秋開催』できるぐらいに社会変革を」

【橋下徹さん】「秋休みにするとか、日本社会がいろいろ目指していたことなんですよ。学校二学期制にするとか。大胆に教育のプログラムから変えていって、『秋開催』できるぐらいに社会変革しないと。環境が変わってきたから。夏休みの宿題についての議論もありますけど、個人に合わせたカリキュラムをやればいい。最低限の宿題とか、一番の授業だというふうに一律ではもうできない時代になってきたから、これは個人に合わせて、野球やりたい人たちは秋に休みを取れるような授業カリキュラムにしていけるか、そういうことを目指さないといけない。北欧などはそうしている。文部科学大臣がやろうってなればできるんです。アプリとか使いながら、個人の進度に合わせて授業を進めることをやろうと思ったら、実際に北欧ではやってるんです」

フレキシブルに選べる環境になるといいのかもしれません。

伝統も命も守ることができる夏の甲子園になることが望まれます。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」 2024年8月21日)

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