■パリオリンピック™ 陸上・男子マラソン(日本時間10日、パリ市庁舎前~アンバリッド)
男子マラソンが行われ、赤﨑暁(26、九電工)が日本勢トップの6位でフィニッシュ。タイムは2時間7分32秒。史上最難関といわれるコースで、初出場も見事自己ベストで入賞を果たした。
終盤までメダル争いを繰り広げ、惜しくも男子で32年ぶりのメダルには届かなかったが、最後まで快走をみせた。東京五輪6位入賞の大迫傑(33、Nike)が2時間9分25秒の13位、初出場の小山直城(28、Honda)は23位(2時間10分33秒)でゴール。金メダルは22年世界陸上の金メダリスト、T.トラ(32、エチオピア)。2時間6分26秒の五輪新を叩き出した。
アップダウンが激しくオリンピック史上“最難関”といわれるコースで、この日の天候は晴れ、気温19度、湿度66%の中、81人がレースに挑んだ。
序盤はスローペースで進み、ルーブル美術館を通過すると5km地点では小山が集団の前方で、大迫と赤﨑の2人は集団の後方に。10km地点では先頭が30分59秒で通過し、小山が1秒差で赤﨑(4秒差)、大迫(6秒差)が続いていった。10kmの給水ポイントを過ぎてE.ファニエル(イタリア)が先頭集団から前に出て単独走に。
14km地点を過ぎて赤﨑が少しペースを上げ、長い上り坂が始まる15km地点ではファニエルがトップで通過し、2位集団が23秒差で追う。赤﨑がトップと25秒差の9位、小山と大迫も26秒差で安定した走りを続けた。
傾斜のきつい上り坂で2位集団が縦長になって14人ほどに減り、赤﨑と大迫がこの集団で走りを続け、小山が少し離される。五輪3連覇を狙うE.キプチョゲ(ケニア)らアフリカ勢の優勝候補が数人遅れ始める。
20kmを過ぎて22年世界陸上の金メダリスト、T.トラ(エチオピア)がファニエルに追いつき、最高地点(183m)の20.3km地点を過ぎると今度は下り坂へ。中間地点ではトラ、C.マンツ(アメリカ)らがトップ(1時間4分51秒)で通過し、赤﨑が7秒差の5位、大迫が9秒差の10位と好位置につけた。
ベルサイユ宮殿付近で折り返し選手は再びパリへ。24kmあたりで赤﨑が先頭のトップを走る展開に。給水ポイント前で帽子を捨て、新しい帽子を受け取って25kmをトップで通過。大迫は2秒差の10位とメダルを狙える位置で走る。
28㎞前から再びきつい登り坂となり、エチオピアのトラがトップに出て最大勾配13.5%の坂へ。赤﨑は力を振り絞って走るが4位まで順位を落とす。史上最難関のコースが牙を剝き、今度は長い下り坂となって選手同士の間隔が広がっていく。30km地点で赤﨑は先頭トラと19秒差の5位。下り坂で前の選手を捕らえ4位に浮上したが、長い下りで激しく順位が変動。
市街地に入ってアップダウンが落ち着き、足に疲労が溜まっている中、勝負の終盤へ。34kmでトラを赤﨑を含む5~6人の2位集団が追う。36㎞を過ぎてエッフェル塔が見えてくる中、赤﨑は少し集団から遅れはじめ5位となり、37kmでは前を走るD.ゲレタ(エチオピア)ら3人と6秒ほどの差に。
パリ市街中心地で沿道の応援も増え、39km地点で赤﨑は2位集団と10秒ほどに広がったが走りは安定し、最後の力を振り絞る。前の4位ゲレタ(エチオピア)が遅れはじめ、40km地点で赤﨑との差が11秒差。3位選手とは18秒差でゴール地点に向かう。しっかりとした走りで最後まで走り続け、惜しくも表彰台には届かなかったが、堂々の6位入賞を果たした。
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