■パリオリンピック™ 卓球男子シングルス準々決勝(日本時間1日、パリ南アリーナ)

張本智和(21、智和企画、世界ランク9位)が男子シングルスの準々決勝で、世界王者・中国の樊振東(27、同4位)にゲームカウント3ー4で敗れ、惜しくもベスト4入りは果たせなかった。

最強中国を相手に、歴史的勝利まであと一歩もフルゲームの死闘の末に敗れた。

東京五輪銀メダルで世界卓球2連覇中の王者・樊振東(ハン・シントウ)を相手に序盤は張本のペースで展開。立ち上がり張本が得意のバックハンドの強打でポイントを重ね6-1とリード。カウンターのフォアも決まり主導権を握ると、11-2で先取した。

第2ゲームは3-3から樊振東の強烈カウンターが決まると、流れが相手に傾きかけたが、張本も高速バックハンドで食らいついていく。横回転のチキータが決まり、サーブでポイントを奪い7-6と逆転。勝負の9-9から台上のフリックでゲームポイントを奪うと、相手のレシーブがオーバーとなり2ゲーム連取。

勢いに乗りたい第3ゲームだが、激しいラリーを連続で奪われ0-6と劣勢。早い打点からの攻撃で追い上げるが、相手の逆横回転のYGサーブに苦しみ差を詰められず4-11。

ここで張本はシャツを着替えて第4ゲームへ。バックハンドの強打で最初のポイントを奪うと、一撃必殺のチキータを決めるなどリード。世界王者も負けじと強烈なバックを決め一進一退の攻防が続く。だが樊振東のスーパーカウンター、逆をつくコースへの強打で逆転され7-11とこのゲームも落とした。

勝った方が勝利に王手をかける第5ゲームは、張本が先手の攻撃でリードし4-0。2ポイント奪われたが落ち着いたレシーブから先にドライブで攻め、7-2と流れは張本に。サービスに入るまでの時間が長いとイエローカードをもらったが、その後も冷静にラリーを制し11-4で先に王手をかけた。

第6ゲームは樊振東のペース。追う展開から張本も強烈なフォアを決め、会場は大熱狂につつまれた。7-7の同点に追いついたが、最後はレシーブがオーバーとなり7-11で落とし、勝負は最終7ゲームへ。

ファイナルゲームも接戦となり6-6とどちが勝つか分からない状況に。相手のミスで1点リード。だが相手も粘り意地をみせ連続ポイントを許し、先にマッチポイントを与えてしまい、7-11で無念の敗退となった。試合後はベンチに戻ると一点を見つめ呆然とする場面もあったが、立ち上がり観客の声援に応えた。

インタビューゾーンで張本は「どれだけいい試合をしても負けたので悔しいです」と振り返り、「100%出し切れたと言えますが、それでも彼には勝てないんだなと思いました」と目に涙を浮かべながら試合を振り返った。

「でも試合は楽しむことができましたし、金メダリスト候補とこれだけの試合をして頑張れば次こそメダルが獲れるのではと思える試合だった。4年後もまたこの舞台に戻ってきたい」と語った。

東京五輪ではベスト16で敗退も、今大会は前回を上回るベスト8入り。早田ひな(24、日本生命)との混合ダブルスでは1回戦で北朝鮮ペアにまさかの完敗。切り替えて臨んだシングルスでは、1回戦でベルギーのM.アレグロ(同79位)にストレート勝利。2回戦はイランの難敵ノシャド.アラミアン(32、同51位)と対戦し、ゲームカウント4ー2で勝利。3回戦ではデンマークのA.リンド(25、同62位)に第1ゲームを奪われるが、そこから立て直し逆転で4-1で快勝した。シングルスでは敗退となったが今後は団体戦でメダルをかけた戦いに挑む。

【男子シングルス準々決勝】
張本智和 vs 樊振東
11-2/11-9/4-11/7-11/11-4/7-11/7-11

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