パリオリンピックの自転車競技トラック種目に出場する福島県古殿町出身の窪木一茂選手。2大会ぶりとなる出場に、地元からは熱いエールがおくられた。「本当に自信がある」そう語る窪木選手。感謝と大きな決意でパリへ挑む。

緊張感張りつめる練習

団体種目の「チームパシュート」など、3種目に挑む窪木選手。チーム最年長の35歳…持久力や筋力を高めるトレーニングにも積極的に取り組み、緊張感がみなぎっていた。

窪木選手 2大会のオリンピック出場
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「オリンピックを経験している身でもあるので、選手村での行動や13人の選手にアドバイスが出来ることもあるのかなと思います」と話し、チームをけん引する存在となっている。

チームをけん引 窪木一茂選手

その姿に、チームの責任者・ブノワ・ベトゥテクニカルディレクターも「彼はカリスマ性と豊富な経験があり、肉体的にも強く、他の選手をトップに押し上げる事ができるすべての素質を備えている」と信頼を寄せる。

日本代表チーム・テクニカルディレクターのブノワ・ベトゥさん

代表落選…競輪を秘策にリベンジ

いまやチームに欠かせない存在の窪木選手だが、これまでの道のりは順風満帆ではなかった。初めて出場したリオオリンピックでは、個人種目の「オムニアム」で14位。さらなる活躍が期待された東京大会では、代表メンバー入りを逃がした。

東京オリンピックでは代表を逃す

そんな窪木選手が、リベンジを図るべく挑戦したのが「競輪」だった。
「1週間に3回ウエイトしたりとか、バイクを使ったスピードトレーニングを週に4回入れたりとか。短いスプリントの練習が本当に多いので、それが身体を変えるきっかけになった」と振り返る。競輪で素早く力を発揮できる「スプリント力」を身に着け、日本代表に返り咲いた。

画像提供:公益財団法人JKA

父からのエール

父・茂さんは、そのメンタルの強さを見抜いていた。「何事に対しても一生懸命やる。負けず嫌いだった。今も、それが大きくつながっていると思います」と茂さんはいう。

窪木選手の父・茂さん

学法石川高校で自転車競技を始めた窪木選手。茂さんは、遠征の送り迎えをするなどサポートしてきた。

自転車競技を始めた頃の窪木選手

2回目のオリンピックに臨む自慢の息子…茂さんは、特注したタオルを手に現地で応援するつもりだ。「東京の悔しい思いをこのパリに全部ぶつけて、一番テッペン棒を持ってきていただければ、最高に嬉しい」と父・茂さんはエールをおくった。

応援のために作ったタオル

地元の誇り 町をあげて応援

窪木選手にエールをおくるのは他にも…母校・古殿中学校では、メッセージ入りの国旗が手渡された。受け取った窪木選手は「この国旗をフランスへスーツケースに入れて持っていきます。メダルを獲得したら、自転車競技の周りを回れる。国旗を背中に持って皆のメッセージが世界に届くように僕が頑張ります」と話した。

母校の古殿中学校で 後輩からエール

同じ日には町を挙げた壮行会も行われ、同級生からの「オリンピックという大舞台を楽しんできて。精一杯頑張ってください」という言葉と固い握手に、窪木選手の表情もおもわず緩んだ。
窪木選手は「久しぶりに同級生に会って涙がこみ上げてきた。古殿で生まれ育って本当に感謝しています」と語った。

同級生たちと 窪木選手も笑顔に

感謝の思いを胸に活躍を誓う、パリ。目指すゴールは明確に見えている。「今回はメダルを狙えると思っている。本当に自信があるので、福島県の皆さんにもぜひ本気で応援していただいて、嬉しい報告が出来ることを望んでいる」と意気込みを語った。

(福島テレビ)

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