今から1カ月ほど前、パリオリンピックに向け強い使命感を語っていた体操女子の宮田笙子選手(19)。
体操女子パリ五輪代表・宮田笙子選手(6月11日):
自分がちゃんとチームの軸にならなきゃいけないなと思う。自分がちゃんと責任を果たしたうえで、メダルに向かってやっていきたい。
オリンピックでのメダルも期待され、自他ともに認める日本女子体操界のエースだった宮田選手が、19日、突然の代表参加辞退。
19日午後2時ごろ、日本体操協会が緊急会見を行いました。
日本体操協会・藤田直志会長:
JOC国際総合競技大会派遣規定および日本体操協会選手の行動規範に反する事実が確認されたため、(宮田選手)本人確認のもと、オリンピックへの出場辞退に至りましたことをご報告させていただきます。
理由は6月末から7月にかけ、喫煙と飲酒行為が確認されたため。
日本体操協会・藤田直志会長:
プライベートの場での一度の喫煙行為。場所については、都内の某所であると。2点目ですが、飲酒行為。場所としましては、ナショナルトレーニングセンターのアスリートヴィレッジの居室内。
7月15日、モナコで合宿中の強化本部のもとに喫煙に関する情報提供があり、事実確認のため、宮田選手は18日に帰国。
その日のうちに事実確認が行われ、パリオリンピックの参加辞退が決まったといいます。
日本体操協会・藤田直志会長:
相当神経を使い、かなり憔悴している様子がうかがえました。(今回は内部通報だったのか?)それは否定はできないと思います。
宮田選手は現在19歳。
東京オリンピックのあとから頭角を現し、2022年の世界選手権では個人総合で8位。
種目別の平均台では銅メダルを獲得しました。
2024年、全日本選手権やNHK杯を制覇し、パリオリンピックの女子体操日本代表に内定。女子体操チームのキャプテンにも指名されていました。
宮田選手は「キャプテンになることは分かってたんで。しっかり行動もそうですし、演技で信頼されることが一番必要だと思う」「自分の役目としては、チームを一番引っ張らなければいけない立場だと思うので、団体のメダルに向けて、一つ一つ丁寧にこなしたい」と話していました。
宮田選手本人に聞き取りを行った関係者は、喫煙や飲酒につながった可能性のある原因について、「(宮田選手の)発言の中では、目標に対して数々のプレッシャーなどありながら、そのような行為に及んでしまったという内容の場面があった」と話しました。
現在所属する順天堂大学の監督で日本代表のコーチでもある原田睦巳氏が涙を流す場面も。
順天堂大学監督・原田睦巳氏:
何の申し開きでもございませんが、ただ、本当に彼女が、ものすごいプレッシャーと残さなければいけない結果というものを胸に抱えながら日々を過ごしていたというところは、ぜひご理解いただきたい。許されることではないんですけど。
日本では20歳未満の飲酒・喫煙は法律で禁止。
さらに、日本体操協会が定める日本代表選手の行動規範に、代表チームとしての活動では、「20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する」とあります。
宮田選手は、法律だけでなく、こうした規範にも違反したことで、パリオリンピックへの道を絶たれた形になりました。
街の人々の声はさまざまです。
40代:
19歳という時点で、たばこは20歳からって言われてるので、それは代表とか関係なく、よくないかなって。
高校生:
まだ19歳で、若くて未来もあると思うので、そんなに厳しくしなくていいのかなって。
日本体操協会によると、通常5人がエントリーするオリンピックの女子団体競技について、補欠選手の繰り上がりを行わず、残る4人で競技を行うことになるとしています。
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