18番で20メートルのバーディーパットを沈め、ガッツポーズする大山志保。飯島茜とのプレーオフを制し、このシーズン初優勝を飾った=2006年4月23日、川奈ホテルGC富士コース
女子ゴルフの第42回フジサンケイレディスクラシック(フジテレビ、産経新聞社など主催)は4月19日、静岡県伊東市の川奈ホテルGC富士コースで開幕する。40年を超える歴史を誇り、幾多のドラマを生んだフジサンケイレディス。記憶に残る「思い出の名場面」を厳選し、当時の記事と写真で振り返る。

(2006年4月23日、静岡・川奈ホテルGC富士コース=6464ヤード、パー72)

大山志保が通算1アンダー、215で並んだ飯島茜とのプレーオフを制して今季初優勝、賞金1260万円を獲得した。ツアー通算4勝目。

大山は終盤、飯島に首位を譲ったものの、18番でバーディーを奪って71として並んだ。プレーオフ1ホール目、パーを逃した飯島に対し、パーパットを沈めて決着した。

李定垠(韓国)が2打差の3位。横峯さくらは11位に入り、宮里藍に次ぐ史上2番目の早さ(45試合目)で生涯獲得賞金1億円を突破した。

優勝杯を掲げる大山志保=2006年4月23日、川奈ホテルGC富士コース
順位 スコア 選手 1R 2R 3R

優勝

-1

大山志保

215

74

70

71

2

-1

飯島茜

215

75

72

68

3

+1

李定垠

217

78

72

67

今季初V、飯島茜とのプレーオフ制す

首位の飯島に1打差で迎えた最終18番(パー4)。大山は20メートルのバーディーパットを決めて追いついた。プレーオフ1ホール目。ともに1メートル残したパーパットで、まず飯島が左に外した。大山が攻めに出る。まっすぐに、強く打つ。ボールはカップに当たって沈んだ。「ここまで落ち着いて、一打一打に集中できたのは初めて」。今季初勝利に言葉が弾んだ。

昨季はツアー1位のバーディー335個を奪った。だが、2勝どまり。勝負強さに欠けたのは、時に顔を出す精神面の不安定さと分析した。

選手はコースで成長する。昨年4月、転換期となる好機が巡ってきた。推薦者枠で武富士クラシック(米ラスベガス)に出場。予選落ちしたものの、新たな意欲がわいた。「常に攻め続けることができた。自分が自分らしくいられる場所だと思った」。新鮮な〝出会い〟があって以降、コースでは終始積極的にピンを狙う自分がいた。

心の変化と同時に、技、体にも改良を加えた。飛距離を延ばすためにオフは下半身を強化。今季からは米ツアーで出会った韓国人ティーチングプロに指導を受け、苦手な小技に磨きをかけている。

賞金ランクで不動裕理を抜き初の首位。「満足せずに足りないものを追求したい」。米ツアーの予選会も早ければ今年挑戦する。難所を突破した28歳が世界に羽ばたく日は近い。(戸谷真美)

プレーオフの1ホール目で飯島茜(右奥)を下して優勝し、ボールを掲げて喜ぶ大山志保=2006年4月23日、川奈ホテルGC富士コース

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