ここまで首位をひた走るカープ。しかし、全て「順風満帆」だった訳ではありません。
「どうしたら勝てるのか」。開幕投手を任されながらも試行錯誤を繰り返し日々闘い続ける九里投手の思いに迫ります。
【九里亜蓮投手】
「チームがなんとか勝てるようなピッチングができれば、僕自身負けるつもりはないので」
開幕投手。
チームでただ一人しか立てない特別なマウンド。
その位置を掴み取ったのがプロ11年目・九里亜蓮。
昨シーズンチームで唯一先発ローテーションを守りきり、投げたイニング数は両リーグ最多。
誰もがその活躍を期待していました。
しかし…開幕から7試合勝利無し。
なかなか勝てない日々に苦しみました。
Q:開幕投手ということで始まったシーズンなんですけど、改めて今季にかける意気込みその時点でどうだったのかというのを教えていただきたいんですけど。
「やっぱり開幕の試合なんとか勝ってチームに勢いをつけて、なおかつ自分も勢いに乗っていきたいなという風に思って開幕戦には臨みましたけど」
Q:好投していく中でなかなか勝ち星に恵まれなかった。そういったときに正直プレッシャーとかはあったんですか?
「プレッシャーというか、申し訳ないという気持ちがすごく強かったです」
Q:申し訳ない?
「僕の勝ち負けは置いといて試合に勝っていなかったのでチーム自体が、なのですごく申し訳ないなとチームを勝たせれないピッチングをしているなという気持ちが1番強かった」
どうしたらチームが勝てるのか。
感じていたのはチームメイトへの「申し訳なさ」。
試行錯誤を繰り返しながら迎えた5月18日。
登板8試合目にしてようやく今シーズン初勝利を掴み取りました。
《ヒーローインタビュー:5月18日》
「本当になかなか勝てなかったので苦しかったです…本当にみんなにつけてもらった勝ちだと思います」
「開幕からのすべてがあの場所に立ったときに全部巡ってきていろんなことを思いました。チームメイトの皆さんもそうですし、なかなか勝てなくても使ってくださった首脳陣の方々も家族もそうですし、本当にいろんなことがよみがえったというか」
初勝利から負けなしで3連勝。
取り戻した本来のピッチング。
今月13日のライオンズ戦では今シーズン初の完封勝利も挙げました。
Q:8回を投げ終えてベンチに帰ってきたときに新井監督から声をかけられたんですよね?
「どうする?行きたいか?と」「行かせてくださいと」
Q:正直監督がこっち来ているなというときに交代かなと思いました?
「交代という言葉がでないように祈りながら」
Q:絶対に行きたかった?最後のマウンド)
「行きたかったです。1点とられたら変わるというのは監督さんには言われていたので逆に僕の中では勝負していって絶対抑えたろうと思って気持ちだけで投げていました」
絶対に投げ切りたかった9回のマウンド。
結果的には今シーズン最多の130球を投げる熱投を見せました。
そんな九里投手のタフさとはどれほどなのでしょうか。
Q:9回投げ切って130球投げましたけど、もう1回いこうと思ったらいける?
「大丈夫です」
Q:実際に試合で投げようと思ったら何球くらいまで行ける?
「150はいけるんじゃないですか」
昔から体力には自信があり、大学時代には1日でなんと500球以上を投げ込んだことも。
しかしそんな鉄腕にも抗えないものが!?
カープにも代々存在する先発投手の雨男。
2018年シーズンには九里投手もそう呼ばれた一人でした。
Q:雨男Tシャツがジョンソン投手から回ってきた?保管していた?
「ずっと保管していました」
Q:それで雨男じゃなくなった?
「なんか雨降らなくなりましたね」
Q:どんなTシャツ?
「マエケンさんが作ったんですよ『NORAIN NORAINBOW』と書いてあるんですけど。マエケンさんからジョンソンに渡ってマエケンさんより雨が多くなったので。ジョンソンより僕が雨多くなったのでジョンソンから僕に、これ渡すよってもらって、そこからずっと僕が持っていたんですよ。ずっと持っていてハッチが今年「雨、雨、雨」だったので、こういうものがあるから渡すよっていって」
Q:喜んでました?
「喜んでいたかはわからないですけど、効果を実感してくれてるかなと思います」
苦しい時期を乗り越えここまで安定した投球を継続。
大役を担った鯉の鉄腕は今シーズン、より高い位置を目指します。
「チームを勝ちに導くようなピッチングをしたいと思いますし、1球1球魂をこめて全力で投げていきたいと思います。去年完封が3試合なので5回を目指してがんばりたいと思います」
<スタジオ>
シーズン最多の130球の1球1球に九里投手の魂を感じます。安部さん、九里投手はキャンプの序盤から相当投げ込むイメージがありますね。
【コメンテーター:元カープ・安部友裕さん】
「彼が一番投げ込むじゃないかと思います。一番タフですし、一番勝ちに飢えてる投手だと見てて思いました。勝てる時は何やっても勝てるが、負ける時は何をやっても勝てない。これから夏場から夏場以降にかけて九里投手のタフさが非常に重要になると思う。連勝はなかなか難しいと思うが、勝ちを重ねていって欲しい」
今後もマウンド上の闘志全開の九里投手に期待です。
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