毎月最終月曜日にお届けしているスポーツ「マンスリーセレクション」6月は、間もなくシーズン前半を終えるサッカーJ3リーグのFC琉球です。J2昇格のために必要な条件を含め、まずはここまでを振り返ってみましょう。

おととしの降格からJ3で2年目を迎えた今シーズン。直近のゲームでは首位を独走する大宮との上位対決をあと一歩のところで落とし、今季初の連敗を喫するも、6月上旬までに積み上げたポイントのおかげで大幅に失速することもなく、拮抗した戦いを見せているFC琉球。

▽FC琉球 MF10 富所悠(34)
「リーグ戦やルヴァンカップ、藤枝やガンバ大阪に勝ったり、自信にも繋がってリーグ戦に入れているので流れは良い」

今季のJ3は全部で20チーム。その中でJ2に昇格できるのは3クラブのみで、うち年間順位が1位と2位の2クラブはJ2自動昇格。年間順位が3位から6位の4クラブは最後の昇格枠をかけて「J2昇格プレーオフ」に進みます。
プレーオフのトーナメントはご覧の形となり、熾烈な戦いを制した1クラブもJ2昇格となります。これらを踏まえ現在の順位表を見てみましょう。

首位・大宮を除き勝点に大きな差はなく、どのチームも肉薄。上位チームの力が拮抗していることがよく分かります。

▽FC琉球・金鍾成監督
「今の順位もそうだが、本当に最後までどこがどう上がってくるのか見えないゲームになると思うので、粘り強く戦うということと、相手を振り切れる両面で準備して、みんなの力でゴールテープを切りたい」

▽上原慎也さん
「前半戦はあれだけチャンスを作っているので、いろいろなバリエーションを含めて攻撃的な形をディフェンス陣から出していければ」

西原町出身の元Jリーガー上原慎也さん。元FWの目線で見て、今季前半の琉球の攻めの形は非常に良かったと評価します。


▽上原慎也さん
「攻撃陣が奮闘していて、白井陽斗選手が2桁得点に乗ったし、富所悠選手も調子を上げてきて得点にも複数絡んでいたり、攻撃陣に関しては本当に素晴らしい活躍」

今季ここまでの得点ランキングでは、首位・大宮が得点数でもトップ。一方、琉球は26得点とJ3全体では8番目の数字です。

それでも前半戦、全20チームの中で特に光ったのが、相手ディフェンダーの裏のスペースを狙ったパス「スルーパス」の成功率。直接ゴールに結びつくパスではなくても、相手陣内のスペースを上手く活用できている証明でもあります。

一方で、守備面ではテコ入れが必要だと話します。

▽上原慎也さん
「FC琉球は身長の大きい選手は出ていなかったりする。身長の大きい選手に対してどう守れるか。その部分に関しては前半戦は物足りなかった」

鎌田キャスター)身長の小さいDFが大きいFWにつく時、どういう対応がイヤ?

▽上原慎也さん
「僕がイヤだったプレーは、くっつかれる、ジャンプさせない、それがイヤ」

流れで得点できる一方、長身の選手やクロスボールへの対応が指摘される琉球。総括した上で、後半戦で必要なこととは・・・


▽上原慎也さん
「セットプレーで点を取って、セットプレーを守り切る。そこが後半戦のポイントだと思います」

流れ以外の部分、すなわちフリーキックやコーナキックなどのチャンスをいかし、一方でセットプレーによる失点を減らす。前半戦で物足りなさを感じた部分を修正し、さらなる琉球のパワーアップに期待しましょう。(鎌田宏夢)

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