■日本パラ陸上競技選手権(8日~9日、三重県伊勢市)
パラ陸上の日本一決定戦、日本パラ陸上競技選手権が8日、三重県伊勢市で開幕し2日間に渡り熱戦が繰り広げられた。パリパラリンピックを目指す多くの選手が出場する中、既に代表に内定している選手たちが好記録を連発、パリでの本番に向け弾みをつけた。
5月に神戸で行われた世界パラ陸上男子200m (T64・機能障害)で銀メダルに輝き、パリパラの代表に内定した大島健吾(24、名院大AC)が100mと200mで快走を見せた。8日の100mを11秒38(-0.3)の大会新記録で優勝すると、9日に行われた200mでも23秒42(-1.1)の大会新記録をマークし1位でフィニッシュ。”W大会新”で2冠を達成した。
大島は生まれつき左足首から先が欠損し、義足を装着してレースに臨む。「自分の走れるホームやイメージは固まってきたので、これから義足の形状をしっかり固めて自分の走りを良くできるような義足を作って自分の走りを高めていきたい」。2大会連続出場となるパリパラに向けて「楽しくレースがしたい」と胸を張った。
男子400mと走幅跳(T13・弱視)でパリパラリンピック代表に内定している福永凌太(25、日体大)は、非パラリンピック種目の男子200mに出場した。雨が降り気温も低いコンディションだったが、スタートから勢いよく飛び出すとコーナーを上手く使って加速し、最後までスピードを落とすことなく1位でフィニッシュ。自身の持つ22秒00の日本記録を更新する21秒95(-1.4)のアジア新記録をマークした。
レース後、福永は「パリに向けて今は動きを見直してクオリティを高めていこうとしていて、少しずつ自分の中で良くなっている兆しがでてきた中での今日のレースだった。それを全てレースの中で100%再現することはできなかったが、自己ベストを出すことができたので良い形でまとめられたと思う」と自身の走りを評価した。
初めての出場となる大舞台へ向けて「パリパラリンピックで1位になると決めてパラ陸上を始めた。今まで目指してきた所にやっとたどり着いたので1位を取りたい」と、残り3か月を切ったパリへの強い思いを語った。
*写真は左から大島健吾選手、福永凌太選手
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