中国地方の最高峰・鳥取県の大山が2日に夏山開きを迎え、夏山シーズンが到来しました。2日は濃い霧に包まれ厳しいコンディションでしたが、新人の岡本楓賀アナウンサーが登山に挑戦し、安全に山を楽しむにはどうしたら良いかなど、ガイドにアドバイスを頂きながら体験してきました。

6月2日に夏山開きを迎えた中国地方最高峰の大山。朝早くからシーズン開幕を待ちわびた登山客が山頂を目指しました。

岡本楓賀アナウンサー:
(私も)約5時間後、大山山頂で開かれる安全祈願祭に向けて出発します。日本山岳ガイド協会の鈴木さんにアドバイスを頂きます。

案内をお願いしたのは、日本山岳ガイド協会の鈴木央理惠さん。登山歴は12年、大山にも100回を超える登頂経験をもつベテランガイドです。

日本山岳ガイド協会・鈴木央理恵さん:
ここから本格的な登山道に入ります。忘れてはいけないのが、登山届けの提出です。

岡本楓賀アナウンサー:
私はスマホのアプリを利用します。

登山届には、ルートや下山予定時刻、携帯や自宅の連絡先などを記入。登山道入口に設置されたポストや大山寺駐在所に提出するほか、スマホのアプリなどインターネット経由で事前に提出することもできます。鳥取県警によると、大山では2023年に過去最多となる28件の遭難事故が発生。このうち登山中に転倒した1人が死亡しています。
登山届を提出したら、いよいよ出発。標高1709メートルの弥山山頂へ片道約3時間半の道のりです。

岡本楓賀アナウンサー:
登山道ではどの様に歩けば良いですか?

日本山岳ガイド協会・鈴木央理恵さん:
一番心掛けて頂きたいのが、小股で歩くことです。前傾姿勢にならないように胸を張って下さい。そうするとしっかり呼吸ができて楽になります。

岡本楓賀アナウンサー:
遠くを見るということですね。

日本山岳ガイド協会・鈴木央理恵さん:
下を見るより視線を高くして歩いていきましょう。

岡本楓賀アナウンサー:
確かに気持ちがすごく楽に感じます。

さらに息を鼻から吸って口から吐く複式呼吸を意識すると楽に歩けるそうです。

午前6時半、歩き始めて約45分が経ち、三合目が見えてきました。岡本アナウンサーも疲れてきたところで最初の休憩を取りました。

日本山岳ガイド協会・鈴木央理恵さん:
登山での水分補給は、少量を数回に分けて飲むのが基本です。

登りの場合は、30分から1時間ごとに休憩を取ります。途中、トイレがないからといって水分を控えるのは禁物。脱水症状を防ぐため、スポーツ飲料水などを500ミリリットル入りのペットボトルで3本程度を用意しておきます。
服装は「重ね着」が基本です。変わりやすい山の天気を踏まえ、熱中症を防ぐためにも上着を着たり脱いだりして、適切に体温を調節することが重要です。

午前8時、登りはじめて約2時間半が経ったころ、標高約1350メートルの六合目に到着しました。天気が良ければ、日本海まで一望できますが、濃い霧に包まれ視界が悪化、雨脚も強まりました。鳥取県中・西部には2日午前10時過ぎまで雷注意報が発表され、県警の山岳救助隊が「落雷」に注意を呼びかけていました。

琴浦大山警察署・井上将地域課長:
山は天候が変わりやすいです。山の中での雷は非常に危険です。天気予報を見ながら安全な登山計画を立てて、早め早めに無理のない判断をしていただきたい。

警察によると、夏山でも雨に濡れて「低体温症」になり、救助を要請する登山者も少なくないといいます。また事故の半数以上は、疲労が蓄積する下山途中に発生。山では無理をしないことが何より重要です。

日本山岳ガイド協会・鈴木央理恵さん:
本当ならここから山頂を目指したいところですが、安全を考えて下山したいと思います。

悪天候の場合には、特に「引き返す勇気」が必要。岡本アナウンサーもここで下山することにしました。

日本山岳ガイド協会・鈴木央理恵さん:
山は逃げません。また良い時に遊びに来てください」

岡本楓賀アナウンサー:
登山初心者の私でしたが、鈴木さんのガイドのおかげで無事に下山することができました。天候などコンディションを見極め無理をしないことが重要です。万全の準備をして夏山を楽しみましょう。

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