■バレーボール ネーションズリーグ2024
パリ五輪の切符を懸けた最後の戦い、ネーションズリーグの第2週マカオラウンドの初戦(28日)は、世界ランク2位のブラジルを追いつめながらもフルセット(26-24、24‐26、25‐19、20-25、11-15)の末敗れた女子日本代表。試合の解説を務めた元日本代表でロンドン五輪銅メダリストの迫田さおりさん(36)に、30日に行われる、フランス戦での注目選手を聞いた。
伊藤隆佑TBSアナウンサー:(ブラジル戦は)フルセットで惜しくも敗れた日本になりましたが、迫田さん、どういうふうに映りましたか?
迫田:いやあ悔しい・・・1セット目は本当に、「20点目以降の勝負どころ」とチーム全員で言っていたので、そこで取り切ったときはもう「すごい」って思って盛り上がっていたんですけど。やっぱりブラジルは強い、っていうね。ここで絶対取らないといけないところで取る。(エースの)ガビ選手(30)もスタートから打点が下がらない。本当に世界の高さというのを見せつけられたなと思いましたね。
伊藤:そして要所で、オリンピックを経験している15番のキャロル選手(33、ミドルブロッカー)ですとか、タイーザ選手(37、ミドルブロッカー)が出てきて、決め切っていく。
迫田:ですね。なんかちょっとスタートでブラジルがもたもた(しているところに)「これじゃ駄目だよ」って。ベテランが勢いづかせるっていう、そういうのが見られましたよね。
伊藤:叱咤激励するような雰囲気はありましたよね。ただそういった中で、日本はフランスとの対戦を迎えるわけですが。フランスは世界ランキング的には日本より下位にいますので落とせない試合なんですね。※29日時点で日本は8位、フランスは17位
迫田:絶対落とせないです。(日本はブラジルに)負けたんですけどいいところはたくさんあって、サーブでしっかり崩してミドルを潰して、しっかりレフトだけとかでブロックしてタッチからの攻めっていうのはできてたので。いいところもあるので、そこは自信を持ってフランスにぶつかってもらいたいです。
伊藤:特に日本チームは途中から入った選手たちの活躍っていうのが目立ちましたよね。宮部(藍梨)選手(25)もそうでしたし、渡邊(彩)選手(33)もそうですし。
迫田:ミドルがすごく活躍してましたよね。どの選手もそうですし、楽しみですね。
伊藤:フランスももちろん高さのあるチームになりますけれども、日本チームが組み立てていきたい攻撃というのは。
迫田:個人的に、もっともっとバックアタックが見たいなと。
伊藤:ブラジル戦、確かに要所要所はありましたけど…
迫田:ちょっと崩されてから見えなかったので、崩れたとしても、そこからバックアタックの攻撃を見たいなと思います。
注目は林琴奈のバックアタック
伊藤:そういった意味では今年にかけて誰でもバックアタックを打てるように日本チームは強化してきたわけですけれど、中でも注目の選手はどの選手になりますか?
迫田:難しいですね。そうですね、やっぱりぐっと耐えてる、そして陰で支えてる林(琴奈)選手(24)。そこはまた見たいですね。どんな支え方をする、どういうところでポイントを取ってくれるんだろうと。楽しみにしたいと思います。
伊藤:まさに打数という意味ではバックアタックの本数は林選手はそれほど多くないかもしれませんが、それが入ってくることで、攻撃の幅っていうのが広がるんですよね。
迫田:また違ったカラーも増えていいんじゃないかなと思います。
伊藤:一丸となったバレーボールを見せてもらいたいと思います。
林自身は「去年の課題として(前衛の攻撃枚数が)2枚時にレフトばかりになってしまうときついと思ったので今年はライトバックからの攻撃も増やしていきたい」と話していて、バックアタックの強化に取り組んでいることを明かしている。
■林琴奈(はやし ことな)アウトサイドヒッター
1993年11月13日生まれ 京都・京都市出身 173cm 金蘭会高校(大阪)~JTマーヴェラス2020年に日本代表登録メンバーに初選出。東京五輪代表最終メンバーに選出され、途中出場ながら全5試合に出場。眞鍋監督も「替えが効かない」とそのディフェンス力に太鼓判を押すオールラウンダー。今大会の「ベストレシーバー」部門で5月29日現在トップに立つ。
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