2023年4月13日,大阪市東住吉区のヨドコウ桜スタジアムにて,「カプコンサポーティングマッチ」としてセレッソ大阪と川崎フロンターレの試合が行われた。


 サポーティングマッチでは,パートナーやスポンサーが試合開催時の冠パートナーとして,来場者に向けたサンプリングやブース出展,マンオブザマッチ表彰など,さまざまなPR活動を実施できる。今回は,カプコンの「モンスターハンター」シリーズをメインテーマとして,スタジアム周辺のイベント会場では,いろいろなコラボレーションが楽しめた。
 一方,試合自体はJリーグの公式戦の1試合だ。つまり,単なるエキシビションマッチではなく,両チームにとって重要な意味を持つ一戦でもある。

 ちなみに,カプコンはセレッソ大阪とトップパートナー契約を結んでおり,セレッソ大阪のユニフォームや練習着にはカプコンのロゴが入っている。


スタジアムを彩るエンタメとコラボグッズ。イベント会場はキックオフ前から楽しめる空間だ


 この日のメインイベントは当然,セレッソ大阪と川崎フロンターレの試合である。キックオフは15時,サッカーの試合だけで考えると,ハーフタイムやアディショナルタイムを含めて約2時間程度,極端に言えばその時間を観れたら満足というファンもいるだろう。
 一方で,取材に行って感じたのは,スタジアム周辺が充実したエンタメ空間になっているので,早めに到着すれば「キックオフまでにさまざまな要素が楽しめるな」ということだった。

 スタジアムの周囲には多くのフードトラックが集結し,いわゆる「スタジアムグルメ」を楽しめる。バラエティ豊かなフードメニューに,ドリンク,さらにスイーツも取り揃えられ,試合前の腹ごしらえもバッチリできるようになっているのだ。

スタジアムの外では食事を楽しめるコーナーが広がっている。ドリンク片手に談笑しながら,多くのファンがキックオフまでの時間をすごしていた

 ほかにも,ちょっとしたアクティビティが楽しめるエリアがあり,海外のクラブチームでも採用されているトレーニングマシーン「ICON」や,サッカー玉入れ,キックターゲットなどが楽しめるスポットも設けられていた。
 また,今回はモンスターハンターをテーマにしたコラボのフォトスポットなどもあり,ファンがセレッソ大阪のマスコットキャラクター「ロビー」と「ロビーナ」と一緒に写真を撮れるという要素もあった。

ちょっとしたアクティビティが楽しめるエリアも用意されていた
マスコットキャラクターの「ロビー」と「ロビーナ」がフォトスポットに訪れていた

 さらに,WAKUWAKUステージでは,いくつかのイベントも行われている。今回は,ゲーム実況でもお馴染みのお笑い芸人である宇宙海賊 ゴー☆ジャスさんが登場するステージもあり,自身の持ちネタで会場を訪れたファンを笑いの渦に巻き込んでいた。また,セレッソ大阪の元選手であり,現在はアンバサダーを務める酒本憲幸氏がミニクイズや試合の見どころ解説などを行い,観客のテンションを上げていく。

ゲーム実況などでもお馴染みの宇宙海賊 ゴー☆ジャスさんが持ちネタで会場を盛り上げる。セレッソ大阪に関するミニクイズや,試合の見どころ解説などもあった

 こうした要素は,スタジアムでサッカーの試合を観戦して応援するだけでなく,休日を過ごせる場所としてのエンターテインメントに昇華していると感じられたのだ。

 そして,冒頭でも紹介したように,今回のサポーティングマッチはモンスターハンターとのコラボレーションがメインになっている。スタジアム内外ではモンスターハンターのメインテーマなどが流れ,入場時にチケットをスキャナーにかざすとお馴染みの「クエストスタート音」が鳴り響くといった,ゲームファンにはたまらない演出が随所に施されていた。

 さらに,来場者の先着1万6000名には,「モンスターハンター」シリーズ20周年のコラボデザインベースボールシャツがプレゼントされた。シャツの表面にはモンスターハンターとセレッソ大阪のロゴが,裏面にはモンスターハンターの20周年を祝うデザインとカプコンのロゴがプリントされており,記念すべき年を祝う象徴的なデザインとなっている。

来場者にはコラボデザインが施されたベースボールシャツがプレゼントされ,これを着て応援しているファンも多く見られた。モンハンファンとしては手に入れたい! と言えるグッズだ

 ほかにもモンスターハンターとセレッソ大阪のコラボグッズなども販売されており,多くのファンがショップを訪れていた。



熱狂的な雰囲気と迫力を感じられた生のサッカー観戦


 この日の試合は,セレッソ大阪が1-0で勝利を収めた。詳細な試合の流れや展開はスポーツメディアにお任せするが,試合中はハラハラドキドキの連続で,サポーターの熱気や興奮はすさまじいものがあった。

レフェリーエスコートはWAKUWAKUステージにも登場した宇宙海賊 ゴー☆ジャスさん。主審がサッカーボールではなく,地球儀を持っていく面白い演出も。また,試合開始前のキックインセレモニーはカプコン取締役専務執行役員の辻本良三氏が担当した

 筆者自身は,スタジアムに足を運んで生のサッカー観戦をするのが初めてだったが,試合にはとても興奮したし,スタジアム全体の熱狂的な興奮ぶりに心を揺さぶられるくらい,これまでなかったユニークな体験ができた。

 公式発表によると,この日の入場者数は1万8786人とのこと。セレッソ大阪のファンが大半だと思うが,今回の「モンハン」コラボレーションを受けて観戦に来た人もいたのではないだろうか。サッカーチームとしても,こういったコラボレーションを行うことで,普段はスタジアムに足を運んでまでサッカー観戦をしないという人々に来てもらえる絶好の機会になるだろう。
 もちろん,そこまでのサッカーファンでなくても,こうしたコラボで気になったのなら遊びに行ってみるのもいい。スタジアムで感じられる生の熱気で意識は変わるかもしれないし,何なら,この機会にセレッソ大阪のファンになってみては?


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