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[プレイレポ]「HELLDIVERS 2」ではハイテク種族「イルミネイト」が復活する新たなストーリーアークがスタート
銀河を舞台に強大な敵と戦い続ける協力型アクションシューティング「HELLDIVERS 2」では,2024年12月13日から新たなストーリーアーク(編)がスタート。前作で絶滅させたはずの「イルミネイト」が復活し,プレイヤーたちに襲い掛かってくる。
[2024/12/13 13:00]- キーワード:
- PC:HELLDIVERS 2
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- TPS
- Arrowhead Game Studios
- SF
- 協力プレイ
- PS5:HELLDIVERS 2
- PS5
- プレイレポート
- ライター:箭本進一
新生イルミネイトは独特の戦術を持った恐るべき相手だ。偵察ドローン「ウォッチャー」が忍び寄り,こちらの位置を特定。イルミネイト艦が,武器を持たないゾンビのような「ソウルレス」の群れに,ハイテク兵器で武装した「オーバーシアー」が混じった一団を出撃させるのだ。
新たなストーリーアークと新生イルミネイトについて,同作の開発を手掛けるArrowhead Game Studiosのチーフクリエイティブオフィサーであるヨハン・ピールステッド氏に聞いた。
SF好きが共感できるデザインに,新たな遊びを取り入れて懐かしの「イルミネイト」を再生する
4Gamer:
よろしくお願いします。まずは今回イルミネイトを復活させた意図について教えてください。
ヨハン・ピールステッド氏(以下,ピールステッド氏):
「HELLDIVERS 2」はSFのゲームですから,人間よりも優れた異星人を追加するのはすごく重要なことでした。
イルミネイトが登場することでヘルダイバーたちの敵は3つの勢力になります。「ターミニッド」はグロテスクな虫が近接戦を行い,「オートマトン」は遠距離戦をするロボットです。
そしてイルミネイトは不気味な敵で,ターミニッドやオートマトンとは少し違った戦法で襲い掛かってきます。こうした3勢力の関係性は,「HELLDIVERS 2」というゲームの体験においてとても重要なものだと考えているんです。
4Gamer:
ゾンビのようで知性の感じられないソウルレスと,ハイテク装備で武装したオーバーシアーが一緒になって襲ってくるというのも印象的です。前回いなかったソウルレスを追加した理由と,プレイヤーにどういった体験をさせたいかを教えてください。
ピールステッド氏:
いい質問だと思います。前作「HELLDIVERS」のイルミネイトは高度な技術を持っているという面に特化した表現をしていました。ただ,本作では既にオートマトンというハイテクノロジー勢力がいるため,イルミネイトをそのまま実装するとキャラクター性に被りが出てきてしまうんです。
そこで「HELLDIVERS 2」のイルミネイトには,人類より優れた異星人という側面を持ちつつ,SFの定番である「異星人が人間をさらって改造する」というアブダクションのテーマを取り入れたのです。
4Gamer:
たしかに,イルミネイトはオールドSFのテイストでまとめられていますね。空飛ぶ円盤のようなイルミネイト艦がやってきて,地面に光の橋を投げかけると,そこに異星人が現れる……というビジュアルイメージは昔のSF映画的ですし,長い脚で歩くロボット「ハーベスター」なんかはウェルズの「宇宙戦争」っぽいです。
ピールステッド氏:
そうですね。「HELLDIVERS 2」のデザインは,SF好きな人たちが共感できるようなものを目指しています。ターミニッドはハインラインの「宇宙の戦士」やこれを原作にした「スターシップ・トゥルーパーズ」,オートマトンは「ターミネーター」からそれぞれインスパイアされています。
今回のイルミネイトは「異星人が地球を侵略してくる」というファンタジーを具現化したかったところがあり,これを前作よりも大きなスケールで展開しました。同時にイルミネイトという勢力の中で,どういった種類の敵が生まれるかもテーマになっています。
イルミネイト艦は往年のUFOを彷彿とさせるデザインとしつつも,イルミネイトのアーマーなどに現代的なところを取り入れました。両者をいかに融合させるかも重要なテーマでした。
4Gamer:
イルミネイトとの戦いをデザインするうえでのキーワードと,どのような試行錯誤があったのかについて教えてください。
ピールステッド氏:
対イルミネイト戦の体験をデザインするうえでは「数は少ないけれど危険性の高い敵」「この瞬間に,どの敵を倒さなければならないかを常に考えなければならない」という2点がコンセプトとなりました。
ソウルレスを導入する前,前作「HELLDIVERS」と同じイルミネイトでプレイテストを行ったんですが,テスターたちは射撃がメインで,戦略支援を使う必要はそんなになかったんです。ここからどうゲームプレイを面白くするかということで,ゾンビのようなソウルレスを作ることとなりました。
数は少ないけれど強いオーバーシアーだけでなく,一体一体は手ごわくないけれど数が多いソウルレスとも同時に戦うことになり,プレイヤーは戦略をいろいろ考えなければならなくなりました。例えば,チームを組んだときに対ソウルレス役と対オーバーシアー役で手分けするといったことが必要になったわけです。
4Gamer:
これまで「HELLDIVERS 2」を運営されてきたうえで,印象に残った出来事はありましたか?
ピールステッド氏:
印象に残っているのは,コミュニティが一致団結したことです。
6月にはプレイヤーさんたちへの「全体命令」として,「子供たちが閉じ込められた病院を救うか? それとも新たな戦略支援が手に入る基地を救うか?」という問いかけを行いました。
病院を救っても得をはないし,基地を選べば明確なメリットがあるにも関わらず,プレイヤーさんたちは一致団結して病院を救うことを選んだんです。これはフィクションではあるんですが,コミュニティの団結力と優しさを感じましたね。
学びという意味では,ネットに書かれる意見との向き合い方でしょうか。いろいろな批判もあるんですが,単にこれを読んで落ち込むだけではなく,批判からどうやって学べるか,どのようにして改善できるかを意識するようにしています。
そうすればコミュニティを理解することもできますし,皆さんが求めているものも分かります。これを学びとして,今後のコンテンツに生かしていこうと考えています。
4Gamer:
感情に訴えかける選択肢を提示し,これを個人ではなくプレイヤー全体の体験として昇華できるあたりが「HELLDIVERS」シリーズらしいです。
また,皆が良心に従って行動したというのも,ゲームの枠を超えた体験になっていると感じられます。
本日はありがとうございました。
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