Cygamesのデジタルカードゲーム「Shadowverse」(iOS / Android / PC)にて,2024年4月24日から5月7日まで期間限定の新フォーマット「ヒーローズバトル」が展開される。


 リーダーごとに決められたデッキとヒーロースキルが用意され,誰でもすぐに新しい遊びが楽しめるヒーローズバトル。今回,メディア先行プレイ会で触れてきたので,その概要と注目ポイントを紹介する。

 なお,ヒーローズバトルをプレイできるのは,ルームマッチ,フリーマッチ,プラクティス,ユーザー大会,グランプリで,ランクマッチには対応していない。プレイヤーのカードやリーダースキンの所持状況を問わず,すべてのプレイヤーが用意されたデッキを使うので,カジュアルに遊べるのが魅力の1つでもある。

まさにオールスターなリーダーたち。環境を席巻したキャラクターがこのフォーマットではどうなっているか気になるプレイヤーも多いだろう


ヒーローズバトルのルールと特殊システムについて


 ヒーローズバトルでは,「Shadowverse」のストーリーで登場したリーダーが,クラスごとに3名用意されている。リーダーはそれぞれ固有のデッキとヒーロースキル(特殊能力)を持ち,これらは変更できない。


 基本的な遊びは従来のものと変わらないのが,大きな変化を与えているのがリーダーごとに用意されたヒーロースキルだ。ヒーロースキルは,1ターンに1回だけ使用でき,その際にHBP(ヒーローズバトルポイント)という新しいリソースを増加,あるいは減少させる。

 その能力は,フィニッシャーとなりえる強力なものから,試合の流れを作り出すものまで多種多様なものが用意されている。当然強力なヒーロースキルは必要HBPも多いのですぐには使えない。小技でこまめに消費していくか,大技狙いで溜め込むか。状況やプレイスタイルでヒーロースキルの使い方が変化しそうなのも面白いポイントの1つと言える。

 なお,ヒーロースキルにはフォロワーやリーダーにダメージを与えるものもあり,その影響からかリーダーの初期体力が25に引き上げられている。

キャラクターごとのコンセプトに沿ったデッキが用意されている

ヒーロースキルの内容はもちろん,初期HBPもリーダーごとに異なる。常時発動能力を持つキャラクターも存在するので最初にチェックしておこう

 各リーダーのデッキは,現在リリースされている第32弾カードパックまでに収録されているすべてのカードから組まれているが,基本的には歴代の環境で台頭したアーキタイプを土台としている。

 多くのデッキはそれらのアーキタイプにアレンジを加えた形になっている。本作を長く遊んでいるプレイヤーであれば,デッキリストを見ただけで動かし方をすぐに理解できるはずだ。

PPを消費せずヒーロースキルで盤面に干渉できるため,展開の速さが際立つフォーマットだ


ミズチはハイランダーデッキで参戦。ドラゴンの3リーダーを紹介


 プレイ会では,全8クラス24リーダーが使用できたが,時間の都合で触れられたのは一部のクラスのみとなった。今回はそのなかからドラゴンの3リーダーを紹介する。

 ドラゴンのヒーローに選ばれたのはヴァイディ,ドラーク,ミズチの3人。つい先日,第32弾カードパックで3度目のカード化を果たしたヴァイディや,かつて上方修正により環境を席巻したドラークは見慣れた顔ぶれだが,ミズチはこれまでにカード化されておらず,面白いキャラチョイスと感じた。

 なお,デッキとヒーロースキルはプレイ会時点のもので,リリース時には内容が変化している可能性もある。その点に留意して読み進めてほしい。

※画像は最新版に更新済

■ヴァイディ
ヴァイディのデッキリスト

ヴァイディのヒーロースキル

 ヴァイディは従来のイメージどおり,《ナテラの宝樹》破壊数にちなんだデッキとヒーロースキルを持つ。

 パッシブ能力によりターン中に破壊された自分の《ナテラの宝樹》と同数のHBPをターンエンド時に獲得できるため,一度HBPを溜めてしまえば,毎ターン強力なヒーロースキルを展開しつつ戦える。

 また,ヴァイディのデッキは新しめのカードを中心に組まれているのも注目ポイントの1つ。カードゲームの常ではあるが,後発のカードは古いものと比較してカードパワーが高いものが多く,基本となる動きがそもそも強い。

 現在のローテーション環境の自然ドラゴンとは異なるのは,リーダー付与能力により相手の最大体力を削り取る《呪縛の閃影・ヴァイディ》が入っていない点となる。
 フィニッシュプランをヒーロースキルに頼ることになるが,基本的な動かし方は同じなので取っつきやすいリーダーと言えそうだ。


■ドラーク
ドラークのデッキリスト

ドラークのヒーロースキル

 ドラークと言えば,バフドラゴンのエンジンかつAoE(範囲効果)によるダメージディーラーのイメージが強いが,今回は《侮蔑の絶傑・ガルミーユ》の「自身のフォロワーにダメージを与え,生き残ったら効果発動」という特徴的な能力がヒーロースキル内にミックスされた形で登場する。

 ヒーロースキルはどれもバフとフォロワー自傷効果をあわせ持つが,デッキはフォロワー自傷をコンセプトにした侮蔑軍団が軸になっている。

 当時,先攻で猛威を奮った《ドラゴスネーク》も当然採用されているが,このデッキ自体が数年前のものなのでやはり現代のデッキやカード群と比較するとややパワー不足感は否めない。

 デッキに疾走カードが豊富に組み込まれていたため,ヒーロースキルによる攻撃力バフと組み合わせて「やられる前にやる」ことが重要になりそうだ。


■ミズチ
ミズチのデッキリスト

ミズチのヒーロースキル

 メインストーリー中以外では,昨年7周年記念のリーダースキンとしてプレイアブル化されたミズチは,ハイランダーデッキでの参戦を果たした。

※ハイランダーデッキ:同名カードを1枚ずつ投入するデッキ

 ストーリー時に所持していた固有トークンの《ミズチの一刀》は,ターン中にプレイしたカードの名前の種類数を参照する能力だったので,ハイランダーデッキは納得なチョイスとも言えるが,それを知らない,または忘れていたプレイヤーからすればハイランダーは意外なデッキ構成に感じるかもしれない。

 ハイランダーと言えば,やや縛りの緩い八獄ネメシスが記憶に新しいが,ミズチは《絶大の唯我・マゼルベイン》軸のゴリゴリのハイランダーとなる。

 《絶大の唯我・マゼルベイン》が収録された第23弾カードパック「Omen of Storms / 十禍闘争」がローテションの時期にハイランダードラゴンを見かけることはあったが,一線級のデッキではなかったことを覚えている。
 今回のデッキは,ヒーロースキルでどれだけデッキパワーをカバーできるかがカギになりそうだ。


ヒーロースキルを把握することが勝利のカギを握る


 各リーダーが持つヒーロースキルの能力やコスト,HBPを溜める条件はすべてのプレイヤーにとって初見となる。

 デッキリストを眺めるだけで大まかな動かし方や相手にしたときの注意点はイメージできるが,ヒーロースキルを絡めた動きは内容を確認して,実際に対戦してみないと分かりにくい。

 とくにヴァイディやラティカなどは,特殊なHBP増加手段を持つので,見落としての“ウッカリ事故”にも気をつけたい。対戦相手のヒーロースキルは相手のHBPボタン,もしくはリーダーをタップすれば確認できるので,試合中は常に能力とHBPの増減値を把握して対戦に臨もう。

なかには特殊条件でHBP増加を持つキャラクターも

 ヒーローズバトルは,5月に実装される「粛清編-後編-」の最終章で一区切りとなるにあたり,「過去のストーリーで活躍したキャラクターをもう一度輝かせたい」「もう1度さまざまなプレイヤーにShadowverseを楽しんでもらいたい」という想いで開発されたという。

 「Shadowverse」を長くプレイしてきた人にとっては懐かしさと新鮮さを同時に感じられるフォーマットであるし,久しぶりに「Shadowverse」を遊ぶ人でも,デッキがすでに用意されているので気軽にプレイできる。期間は4月24日から5月7日までの2週間と短めだが,気になる人はぜひ一度遊んでみてほしい。


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