東京ビッグサイト東1〜3ホールへと会場を移し,両日で2万5000人の来場者があったという今回のゲームマーケット。以前と比べて広くなった会場にはボードゲームのみならず,多数のテーブトークRPG作品が会場を賑わせていた。
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[2024/05/14 18:34]- キーワード:
- ANALOG
- イベント
- ライター:蒼之スギウラ
- アークライトゲームズ
ボックス型の新作が多数登場したグループSNEブース
大手ブースの中で,とくにテーブルトークRPGを多く扱っていたのがグループSNEだ。近年はマーダーミステリージャンルでの活躍が目立った同社だが,今回は複数のボックス型テーブルトークRPGをリリースし,販売を行っていた。
なかでも注目は,フランス製のテーブルトークRPG「クリティカル:サンクチュアリ シーズン1」だろう。プレイヤーは探検家ギルドの一員となり,神々の聖地される三日月群島での冒険に挑んでいく。
テレビドラマのような連作キャンペーンシナリオとなっており,今回のシーズン1には9本のエピソードが含まれるとのこと。一つあたりのプレイ時間は30分ほどで,キャラクターや装備品がカードで表現されているため紙やペンも不要で遊べる。
グループSNE代表の安田 均氏によれば,ゲームマーケットはボードゲームが主体のイベントであるため,これまでテーブルトークRPGはメインでは展開していなかったという。しかし,今回はボックス型の製品ということで3タイトルがラインナップされたほか,書籍型の「アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版」のサプリメントもリリースされている。同シリーズでは,今後も年2冊ペースで新製品を投入していくそうなので,こちらも期待しておこう。
「サイバーパンクRED」初のシナリオ集が告知されたホビージャパンブース
ホビージャパンブースでは,2024年3月に発売された「ウォーハンマーRPG」のサプリメント2本と,4月に発売された「一つの指輪:指輪物語TRPG」のサプリメントが,それぞれ販売されていた。
このほか「サイバーパンクRED」のサプリメント「テイルズ・オブ・ザ・レッド:ストリートの物語」の告知ポスターが掲示されており,2024年夏に発売されることが発表されていた。
ホビージャパンのディレクター山田 瞬氏によれば,同書は「サイバーパンクRED」の初のシナリオ集になるという。これまでのスクリームシート形式(簡易シナリオ)ではない,本格的なシナリオが9本収録しているとのことで,発売されれば同作がより遊びやすくなることだろう。
多くのファンが試遊に集まった「Role&Roll テーブルトークRPGギルド」
新紀元社のテーブルトークRPGサポート誌「Role&Roll」が主催する「Role&Roll テーブルトークRPGギルド」のブースでは,新刊から既刊までさまざまな関連書籍の販売が行われていたほか,「インセイン」「逆転計略RPG 天才軍師になろう」「ケダモノオペラ」「新クトゥルフ神話TRPG」などの試遊卓が用意され,いずれも整理券の配布が早めに終了する盛況ぶりを見せていた。
インディータイトルも花盛りのテーブルトークRPGジャンル
ゲームマーケットでは大手パブリッシャによる商業作品のみならず,個人やサークル単位の出展によるインディー(あるいは同人)タイトルも数多く出展されている。ここではそうしたインディーのオリジナルタイトルから気になったものを,いくつかピックアップして紹介していこう。
関東甲殻中枢の「復讐譚TRPG 本懐を遂げよ」。一度屈服したキャラクターが仇敵を討ち果たすまでの“復讐譚”をテーマとしている | ヨスガラクエンの「おやすみ、また明日。」は,眠れない2人が同じ寝床で会話しながら,孤独を癒して夜を越えるシチュエーションをプレイするRPG。システム上プレイヤーは2名,または進行役を含めた3名となる |
コトノハゲームズの「魔女と獣と旅するレシピ」は,テーブルトークRPG「魔女と獣とふたり旅」と連動したソロジャーナルRPG。ゲームデザインは藤浪智之氏,イラストは佐々木亮氏が担当している | サークル・猫又公司のテーブルトークRPG「煌王国の双究士―デュアルナイツ―」。魔法が一般化した世界の警察官・双究士が,魔法絡みの犯罪や事件を解決していく |
サークル・抹茶の日の新作「光明のカンナギ戦記」は,人の心の闇から生まれた脅威《ケガレ》に対抗する《輝きの巫女》の戦いを描くテーブルトークRPG。百合や巫女好きにお勧めとのこと | 同じくサークル・抹茶の日と,名古屋大学のTRPGサークル・ラガドーン・タバーンとの共作「双天観測RPG MISSIΘN:Δ」。プレイヤーは同じ歴史を歩んできた鏡合わせの二つ世界を行き来し,その微妙な差異を発見・修復することを目指す |
グループSNEの安田氏が言うように,ゲームマーケットはアナログゲームの中でもボードゲームを主体したイベントであるものの,テーブルトークRPGも常に存在感を放っており,アナログゲームの一大ジャンルであり続けている。
新作をお披露目する場としてだけでなく,テーブルトークRPGという遊びの楽しさを多くの人に知ってもらう機会の場として,ゲームマーケットは今後も重要な場であり続けることだろう。次回,11月16日と17日に開催される「ゲームマーケット2024秋」にも期待しておこう。
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