シティコネクションは本日(2024年5月30日),RPG「ワイズマンズワールド リトライ」(PS5 / Nintendo Switch / PS4,PC / Xbox One版は2024年内リリース予定)を発売した。


 本作は,2010年2月25日にニンテンドーDS用ソフトとして発売された「ワイズマンズワールド」のHDリマスター版だ。オリジナル版はジャレコからの発売で,当時苦境に立たされていた同社の“再生プロジェクト第1弾”として開発された。
 キャッチコピーは「あの頃の“RPG”をもう一度」,2013年に事実上の事業を停止したジャレコ最後のRPGとなっている。


 「ワイズマンズワールド リトライ」は,HD化されているだけでなく,キャラクターなどの描き下ろしグラフィックスと新曲・アレンジ楽曲が追加されている。またUIの最適化も行われており,快適なプレイが可能になった。
 本稿では,14年の時を経て復活した「ワイズマンズワールド リトライ」のプレイレポートをお届けする。




世界観と拠点となるウィザレストの街


 本作の舞台は,外界との交流が絶たれた街「ウィザレスト」と,その周辺にあるダンジョンだ。街に住む人々は,なぜか記憶を失っており,さらに世界は崩壊の危機に見舞われている。
 魔法使いである主人公は,仲間となった3体のホムンクルスとともに,魔物うごめくダンジョンを探索し,世界の謎と外界へと通じる道を探していくことになる。


 ゲームシステムはシンプルで,拠点となるウィザレストでメインクエストを受け,装備を整えたりキャラクターの育成を進めながら対象となるダンジョンをクリア。目的を達成すると次のメインクエストを受けられるので,新たなダンジョンに挑戦していくといった感じだ。


 街中には,体力の回復やホムンクルスの強化を行える自宅のほか,武器と防具の店「ヴェチゼンストア」,薬と雑貨の店「ショップグランノワール」,メインクエストを受けられる「魔導長公邸」,サブクエストの発生場所を教えてもらえる酒場の「希望の魔術亭」がある。



自宅のベッドで休むと,パーティ全員が全快する。ただ主人公とHPとMP,仲間のHPは戦闘終了後に全回復するので,そこで回復しない仲間のSP回復に利用することになる。SPは,スキルの発動に必要

武器と防具の店と,薬と雑貨の店は,物語を進めていくことで品ぞろえが増えていく

サブクエストをクリアすると,お金などの報酬を得られる

 ダンジョンには,街の右下にある出入口から挑戦可能だ。街に戻るには,ダンジョン側の出入口から徒歩で出るか,キャンプメニューの「Return」を選べばいい。


魔物うごめくダンジョンは崩壊や再生などにより形が変化


 主人公たちが探索するダンジョンには,多くの魔物たちが徘徊している。魔物はシンボルで表示されており,それに触れることで戦闘が発生する。
 なおシンボルの背後から接触した場合は,味方の先制攻撃に。逆にシンボルに背後から接触された場合は,敵の先制攻撃となる。


 戦闘はターン制で,敵味方問わず素早さ(AGI)の高い順にターンが回ってくる。先にも述べたようにHPとMPは戦闘後に全回復するので,通常攻撃だけでなく主人公の魔法も惜しみなく使って,魔物の全滅を目指そう。


 なお魔物は,「火」「風」「土」「水」といった属性のいずれかを持つ。属性には相性があり,火は風に強く水に弱い,風は土に強く火に弱い,土は水に強く風に弱い,水は火に強く土に弱いといった感じ。弱点を突ける魔法やスキルで攻撃すると,高いダメージを与えられるので,戦闘時は意識したい。


味方の攻撃をつないでいくと「CHAIN」が発生する。発生中は魔物に与えるダメージが増加

弱点を突ける攻撃は,魔物の頭上に「WEAK」の文字が。効果が薄い攻撃は「RESIST」と表示される

魔物を全滅させれば,経験値とお金,アイテムなどの報酬を入手できる

 ダンジョンには,宝箱やホムンクルスの育成に必要な素材が入手できるポイントがある。宝箱からは,街で買える装備より性能の高い武器や防具を入手できることもあるので,隅々まで探して取り逃さないようにしておこう。
 なおダンジョンは,魔物を倒すなどプレイヤーの行動によって,その様相が変わることも。状態は「崩壊」や「再生」など4種類あり,見た目でだけでなく出現する魔物や宝箱なども変化する。再生状態の場合は,いつもより魔物が強くなっているので注意したい。

世界とダンジョン崩壊の謎を解き明かすのも目的のひとつ

ダンジョンには,魔力特異点と呼ばれるポイントがある。同じダンジョン内にある起動石を見つけ出しセットすることで,街からその場所へ直接移動可能になる


仲間のホムンクルスは,魔物の魂を融合することで強化可能


 冒険の仲間となるのは,3体のホムンクルスだ。主人公の育ての親・ジゼルが生みだした使い魔で,普段は小さな妖精のような姿をしている。
 戦いの際は,融合した魔物を模した姿に変身し,対応した攻撃やスキルを繰り出せるように。本作では,このホムンクルスたちをいかに育てていくかが,攻略の鍵となる。

ホムンクルスのエーン,ドゥー,トォーリ(左から)

 ホムンクルスと魔物の融合「アニマフュージョン」には,魔物の魂が必要だ。魂は魔物とごとに異なり,対象の魔物を倒すことで,報酬としてドロップすることがある。

 融合は,自宅にある大きな窯のような場所で行える。必要なのは,魔物と魂とお金だけだが,物語が進むと,さらに能力を伸ばしたりスキルを追加できる“素材”も加えられる。回復スキルの「ヒール」などを追加できるので,こちらも活用していきたい。


 アニマフュージョンを実施すると,ホムンクルスの戦闘時の見た目が変化。さらに魔物の特製に応じた能力が上昇するほか,彼らが持っていたスキルの一部も使用可能になる。なおスキルは,ほかの魔物と融合する際に,ふたつだけ引き継げる。

スキルは,6種類まで持てる

 魔物は,物語が進むと高い能力のものが出現する。彼らから入手できる魂は融合時の能力も高いので,有用なスキルを残しつつ,新たな魔物を融合していくのが育成の基本となるだろう。

 なおエーンは風,ドゥーは水,トォーリは火っぽい属性の姿をしているのだが,融合する魔物の属性と合わせる必要はない。戦う魔物や自分のプレイスタイルに合わせて,好きな属性のものを融合していこう。

現在と同じ魔物の魂を融合すると,全能力がアップする。プレイ序盤は,入手しやすい「ボウシウサギ」の魂などを重ねていくだけでも,かなり強くなるのでオススメ

 「あの頃の“RPG”をもう一度」といったキャッチコピーの通り,RPGとして比較的オーソドックスな作りの「ワイズマンズワールド リトライ」。ただ,見た目の変化も楽しいホムンクルスの育成はやり込み度が高く,ダンジョンをクリアしていくことで進行する物語も,世界や主人公,ホムンクルスたちの未来が気になって,ぐいぐいと引き込まれてしまう,


 またシステムの変更点として,セーブスロットが追加され,さらにダンジョン内を含めてどこでもセーブ可能になった。アイテム所持数の制限も撤廃されており,オリジナル版と比べてかなり遊びやすくなっている感じだ。
 「ワイズマンズワールド」を知っている人はもちろん,ひと昔前のJPRGが好きな人も,ぜひ本作をプレイしてほしい。


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