ゲームづくりに関わっている,または今後関わりたい人をターゲットとしたイベント「ゲームメーカーズ スクランブル2024」が,2024年5月25日に開催された。ゲームづくりに関する講演やプロとの相談所,初心者歓迎のゲーム制作体験などが用意された完全無料のイベントである。

2023年3月4日の初回から2度目のイベント開催である。会場を東京都江東区のTOC有明Convention Hall EASTホールに移し,参加定員は380名から700名に増加した


ゲームメーカーズ スクランブル2024 イベント内容
1.ゲームづくりに役立つ全10講演
2.初心者歓迎!UE5&Blenderハンズオン
3.2時間でアナログゲームを完成させる!?初心者歓迎ワークショップ
4.プロに聞ける!なんでも相談所
5.ゲームメーカーズ書房
6.企業ブース
7.作品展示ブース
8.ゲームメーカーズ編集部ブース
9.懇親会

 この手のイベントは,開発者向けの“高度な技術”を共有するものを想像する人もいるだろう。
 しかし,ゲームづくりをしている人といっても,実はかなり幅が広い。ゲーム会社で働いている人もいれば,趣味で作っている人もいるし,ゲームづくりを始めたばかりの初心者もいる。

 イベントの主催である「ゲームメーカーズ」(外部リンク)は,その幅広い層をターゲットとしたゲームづくり系のWebメディアである。ゲームを作ってみたい人への最初の1歩から,専門的な技術までを取り扱っている。
 本イベントは,初心者から楽しめるゲーム制作体験や,ワークショップなどが用意され,誰でも気軽に楽しめるものとなっていた。

ゲームエンジンや3Dソフトを体験できる「UE5&Blenderハンズオン」は,幅広い年齢層の人が参加していた。手順書を見ながら,各々のペースで進められる。講師がすぐ近くにいるので,初めての人でも安心だろう。贅沢を言うならサブモニターがあれば,手順書が見やすく進めやすそうな印象だった

アナログゲームのワークショップは,参加した全員で1つのゲームを作り上げることを目標としていた。既存のゲームを改造するのではなく,身近なテーマからゲーム性を考えていく。皆の前でアイデアを発表するのに恥ずかしさを感じる人もいるだろうが,積極的に意見を出す参加者が多く,盛り上がっていった印象だ

 また,ワークショップやハンズオンだけでなく,ゲームづくりに関する講演や学生の作品展示,プロとの相談コーナーなどが実施された。
 講演では席のほとんどが埋まり,展示エリアでも作品をプレイしたり,制作者と話をしたりしている様子の参加者が多く見られた。

講演は初心者,未経験の人でも分かりやすいものが多くある印象で,賑わっていた。また,作品の展示エリアや書籍コーナーにも多くの人が足を止めていた

最大15分間プロに何でも相談できるコーナーや,付箋で自由に書き込める質問コーナーも用意されていた

 ゲームメーカーズは,「Unreal Engine」(UE)専門のゲームデベロッパであるヒストリアが運営をしている。
 そのため,ゲームメーカーズもUEにかなり強い。もちろん,UEのエディタをベースに「フォートナイト」内のコンテンツを制作できる「Unreal Editor for Fortnite」(UEFN)も例外でない。

会場ではUEFNを自由に体験できるブースも用意されていた。スタッフが近くにいるので,初めてでも安心できる

 イベント当日,ゲームメーカーズによる初心者向けのUE5書籍についても発表された。

\書籍化決定/
『ゼロから始めるゲーム制作!UE5で3Dアクションゲームを作ろう(仮)』

この1冊で“しっかり遊べる”ゲームが作れる入門書!
9月下旬発売、本日より予約受付開始https://t.co/SxipCAT5YX

▼予約ページhttps://t.co/6DT98fAqjg

ご予約お待ちしております!#ゲームメーカーズ pic.twitter.com/UHCh0qtrjf

— ゲームメーカーズ (@GameMakersJP) May 25, 2024


筆者も趣味で参加していたので,同じものを持っている

 ヒストリアは,UEを使用したゲーム制作コンテスト「UE5ぷちコン」も運営しており,イベント会場ではその参加賞Tシャツを着ている人をそこそこ見かけた。
 UE5ぷちコンは,「2、3日でサクッと作ってサクッと応募」というコンセプトで,初心者でも気楽に参加できるものだ。

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今回のテーマは「おす」。Unreal Engineを使用したゲーム制作コンテスト「第21回UE5ぷちコン」のエントリー受付がスタート

 ヒストリアは本日,ゲーム制作コンテスト「第21回UE5ぷちコン」のテーマが「おす」に決定したことを発表し,エントリー受付を開始した。本コンテストは,「2、3日でサクッと作ってサクッと応募」がコンセプトになっており,ゲームエンジン「Unreal Engine」の学習を目的としている。

[2024/02/16 14:57]
  • キーワード:
  • HARDWARE:Unreal Engine
  • HARDWARE
  • 開発ツール
  • Epic Games
  • ニュース
  • 編集部:Akasaka

 UE5ぷちコンのTシャツを見かけた影響かもしれないが,会場の盛り上がりから,ゲームづくりを楽しんでいる仲間がこんなにいたんだ,というのを実感できるイベントとなっていた。
 近年のSNSは,ユーザーの興味関心への最適化がすさまじいものとなっているので,筆者のSNSでは,まるで世界の全員がゲームづくりをしているような印象を覚えるが,現実で作っている人に会う機会はあまりない。同じような感覚の人も,少なからずいるだろう。

 ゲームづくりに関わる初心者からプロまで,幅広い人たちがリアル会場に集まった本イベントは,ゲームづくりに関わる人たちにとって,良い刺激を得られるものとなったのではないだろうか。

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