米ペンシルベニア州のUSスチール工場=2月(AP=共同)

米鉄鋼大手USスチールは12日、オンラインでこの日開いた臨時株主総会で、日本製鉄による買収提案が承認されたと発表した。投票の賛成率は98%を超えた。今後は米当局による反トラスト法(独占禁止法)などの審査に焦点が移る。

ただ、日鉄による買収を巡っては全米鉄鋼労働組合(USW)が反対しており、バイデン米大統領も労組寄りの姿勢を示している。11月の大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領も反対姿勢を表明しており、先行きは依然不透明だ。

賛成比率は発行済み株式総数の約71%に相当する。USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)は承認後に「(USスチールと日鉄)両社の最善の部分を引き出し、『世界をリードする能力を持つ最高の鉄鋼メーカー』として前進することに一歩近づいた」とコメントした。

日鉄の森高弘副会長は「買収完了に向けた大きな一歩が踏み出された。設備投資の拡大や先進技術の提供を通じて、USスチールを支え、成長させる」と発表した。(共同)

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