富士フイルムが約1800億円を追加投資する米ノースカロライナ州の工場(同社提供)

富士フイルムは12日、バイオ医薬品の開発・製造事業を強化するため、米ノースカロライナ州に建設中の工場に12億ドル(約1800億円)を追加投資すると発表した。がん治療などに使う抗体医薬品の基になる原薬の製造設備を増強する。

同工場への投資は追加分を合わせて3800億円に上る。製造設備は2025年から順次稼働する予定で、増強する設備も28年の開始を見込んでいる。

富士フイルムは製薬会社から原薬製造を受託するほか、製剤や投与方法などの情報を記載するラベリングといった最終製品に至る業務を手がける戦略を取っている。デンマークなどの既存工場やノースカロライナの工場を含めた生産能力は28年に75万リットルと、現在の5倍超に高まる計画だ。

バイオ医薬品は遺伝子組み換えや細胞培養といったバイオテクノロジーを活用した治療薬で、世界的な市場成長が見込まれる。このうち、がん細胞などの異物に直接働きかける抗体医薬品は、副作用を抑えつつ高い効果が得られると期待されている。

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