東京都の港区・千代田区・中央区は、昔から政治の中心地・オフィス街・商業地として栄えており、富裕層が住む街として知られるようになった。
今回は、この都心3区に住む人々がどのような金融機関を利用しているのか、調査会社のインテージが毎年70万人規模で行う国内最大級の金融調査「MAT-kit」(インターネット調査)のデータから探ってみた。
「投資」に特徴を持つ銀行が強い
東京都全体と都心3区で比較すると上位5位の顔ぶれは変わらず、ゆうちょ銀行、メガバンク3行、次いで楽天銀行となっている。ただよく見ると、港区ではメガバンクの中でも特に三菱UFJ銀行、三井住友銀行の2行の利用率が東京都全体と比べて5ポイント以上高くなっていることが特徴的だ。
ネット系銀行では、楽天銀行のほかに住信SBIネット銀行も比較的上位に位置しており、都心3区で利用率がより高くなっている(特に中央区)。さらに、ランキングこそそこまで高くはないが、大和ネクスト銀行も都心3区の利用率が高い。これら3行はいずれも「証券会社と強く連携しているネット銀行」という特徴を持っている。
また、信託銀行、とりわけSMBC信託銀行(プレスティア)は都心3区での存在感が大きくなっている。特に港区は東京都全体と比べると3倍以上利用率が高い。旧シティバンク銀行のリテール事業を承継するプレスティアは外貨に強い富裕層向けのブランドであり、納得感がある。同様に、信託銀行ではないが外貨預金に強いソニー銀行も都心3区で利用率が高く、こちらは中央区で特に高い傾向が見られる。
その他、地域金融機関の中では、さわやか信用金庫が規模で上回る地銀を抑えて、上位20位以内に入っていることが目を引く(とりわけ港区では12位まで順位を上げる)。さわやか信用金庫は港区に本店を置きながら都心を営業基盤とし、全63店舗のうち12店舗を都心3区内に構えていることが理由の1つとして考えられる。
総じて、都心3区では証券会社や信託、外貨預金など「投資」に特徴を持つ銀行が強いようだ。富裕層の多いエリアならではと言える。
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