【ロンドン=山下晃】スイスの金融大手UBSが7日発表した2024年1〜3月期決算では純利益が17億5500万㌦(約2710億円)と、前年同期と比べ7割増えた。クレディ・スイス・グループの買収に伴い膨らんでいた事業整理関連の費用が一巡した。
UBSは2023年6月にクレディ・スイスの買収を完了させた。統合に伴い費用が先行し、これまで2四半期連続で最終赤字を計上していた。24年に入り効率化の効果も出て営業費用は23年10〜12月期からおよそ1割圧縮。コスト削減効果が黒字転換の支えになった。
事業面でも強みの富裕層向け資産管理ビジネスは新規の資金流入が続いていおり、米国やスイス、アジアが好調だった。投資銀行やアセットマネジメントなど全事業部門で黒字を確保した。
セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は同日、「一年あまり前にスイスと世界の金融システムを安定化させる重要な役割を果たすよう要請された」と述べ、「現在、その約束を果たせている」と、クレディ・スイスの統合計画の進展に自信を示した。
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