世界初となる「歯を生やす薬」の治験が始まります。

生まれつき6本以上歯が足りない「先天性無歯症」は、人口の0.1パーセント程度の患者がいて、遺伝の影響が強いと考えられています。

この患者のために、北野病院などの研究グループは、世界で初めてとなる「歯を生やす薬」の開発を進めていて、マウスを使った実験から特定のタンパク質の働きを抑えることで歯が成長することを発見しました。

9月から歯が欠損している健康な成人の歯を生やす治験を、京都大学医学部附属病院で始めるということです。

【北野病院 歯科口腔外科 高橋克主任部長】「歯がなくて困っている方は、10万人います。その方々をなんとか助けたいのが正直なところ。歯医者の夢ですよね」

研究グループは今後、治験を先天性無歯症の2歳から7歳の子どもにも広げ、2030年の実用化を目指すということです。

将来的には、虫歯などで永久歯を失った人への治療にも活用したいとしています。

ところで、薬は腕から点滴で投与しますが、体の思わぬところから歯が生えることはないのでしょうか?

【北野病院 歯科口腔外科 高橋克主任部長】「基本的には、ゼロから歯をつくることはできない。歯の根のある所にしかできない。頭にも手にも歯の根はないので、そんな所からできることは普通ありません」

歯の悩みを抱える人にとっての希望の薬として、研究の進展が注目されます。

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