23日午後5時、ホンダと日産自動車が会見を開き、経営統合に向けて協議に入ることを明らかにした。
この2時間前、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告がオンラインで会見を行い、今回の経営統合は“見通しは暗い”と批判した。

グループのかじ取りはホンダが主導

会見は、ホンダと日産自動車のトップに加え、日産と連合を組む三菱自動車の社長も参加して行われた。

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ホンダ・三部敏宏社長(午後5時ごろ):
両社取締役会の決議を経て、基本合意書を締結いたしました。

23日午後に行われたホンダと日産自動車の経営統合に向けた会見 三菱自動車の社長も参加した

経営統合が実現すれば、販売台数世界3位のグループが誕生する。
グループのかじ取りは、ホンダが主導する見通しだ。

この会見の2時間前、オンライン会見を行ったのが、特別背任などで起訴され、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告だ。

5年前に大型のケースに身を隠して国外逃亡

1999年、日産自動車の経営再建を託され、フランス・ルノーから乗り込んだ、ゴーン被告。

“コストカッター”の異名通り、大規模なリストラや工場閉鎖などを打ち出した。

1999年10月に行われた会見で話す元日産自動車会長 カルロス・ゴーン被告

ゴーン被告(1999年10月):
どれだけ多くの努力や痛み、犠牲が必要となるか私にも痛いほど分かっています。

その後、日産の業績は“V字回復”し、リーダーとしての手腕がたたえられたゴーン被告。

しかし2018年、金融商品取引法違反の疑いで逮捕され、その後、特別背任などで起訴された。

2019年3月に保釈された際、ゴーン被告は作業着姿に変装していた。

そして、2019年の年末、プライベートジェットで、中東レバノンに逃亡した。
音響機器を運搬する際に使う大型のケースに身を隠しての逃亡劇だった。

ゴーン被告「ホンダと日産の補完性は感じられない」

あれから5年、ゴーン被告は、古巣・日産とホンダが経営統合に向けて会見した23日、オンライン会見で思いを語った。

ゴーン被告:
最初にパートナーシップや提携を行う時に見るのは、二者の補完性だ。ホンダと日産の補完性は感じられない。まったく補完するものはない。同じ分野に強く、同じ分野に弱い。(この経営統合は)私にはあまり良くなく思える。

ゴーン被告は、経営統合について、“見通しは暗い”と批判したうえで、自身が日産のトップにいた時代を振り返った。

ゴーン被告(23日午後3時過ぎ):
(私がトップにいた時)日産は成長し、雇用は増え、われわれは1番の自動車メーカーだった。

日産とホンダの経営統合が進められる中、ゴーン被告が声を上げた理由について、自動車評論家の国沢光宏氏は、「(ゴーン被告は)邪魔しようという気はないと思います。むしろ日産を立ち直らせるのは自分しかいないというぐらいに考えているのではないでしょうか。とりあえず口を出したいというのが一番大きい。自分の存在感を見せたい」と分析した。
(「イット!」12月23日放送より)

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