日銀が23日発表した国際決済銀行(BIS)の国際資金・与信統計の日本分によると、2024年9月末時点の邦銀の国際与信残高(最終リスクベース)は5兆2700億ドル(約750兆円)となった。統計開始の1998年6月末以降で最高水準となった。
24年6月末に比べ2422億ドル増(4.8%増)で2四半期ぶりに増加した。3カ月前より為替市場で円高・ドル安が進み、ドルベースの残高が増えたことなどが背景だ。
国際与信統計は銀行の国内本支店から海外への貸し出しのほか、国債や社債、株式など海外への証券投資も含む。邦銀の海外支店から海外顧客への貸し出しも対象になる。BISが世界31カ国・地域の統計を四半期ごとに公表している。
地域別の内訳をみると、米国向けは973億ドル増加し2兆4583億ドル。欧州向けは433億ドル増加し1兆980億ドルだった。信託銀行による対外証券への投資が増えた。新NISA(少額投資非課税制度)開始による外国株投資の増加も寄与した。
信託銀行を除いた邦銀の国際与信残高(最終リスクベース)は6月末と比べ523億ドル増え、2兆5000億ドルだった。一部の信託銀行は年度末だけ信託財産を時価で報告するため、残高の推移に影響が出る。
日銀があわせて発表したBISの国際資金取引は国内所在銀行(海外銀行の日本支店を含む)の対外債権から債務を引いた残高が3兆1614億ドルとなった。
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