2020年に閉店した新潟市の新潟三越の跡地で計画されている地上37階建ての複合型タワーの再開発が大幅に遅れる見込みであると、新潟市が明らかにした。
新潟市の中心市街地の活性化に向けて、起爆剤になることが期待されていたが、計画は先行きが見通せない状況に陥っている。
■遅れが指摘される新潟三越跡地の再開発
「現在、再開発準備組合において、事業計画を検討してございます。そのため実施・設計の着手、スケジュール等は未定でございます」
12月11日の新潟市議会で市が説明したのは、2020年に閉店した新潟三越跡地の再開発事業のスケジュールについて。
新潟市中央区古町地区から百貨店がなくなり、中心市街地の活性化が大きな課題となる中、2023年、新潟三越跡地に商業施設やオフィス・マンションが入る、地下1階・地上37階建ての複合型タワーを建設する計画が公表されていた。
事業内容は2024年6月に公表される予定だったが、いまだ発表はなく。
市議会で遅れている理由を聞かれた新潟市都市政策部の鈴木浩信部長は「再開発準備組合において、昨今の建設業における人手不足などの社会情勢を受け、組合設立認可申請を合わせて提出される事業計画の検討に時間を要している」と説明した。
■施工を請け負ってくれる業者見つからず
工事を始めるためには、地権者などからなる準備組合が事業計画を提出し、認可を受けて本組合に移行する必要がある。
しかし、準備組合が設定したスケジュールでは、施工を請け負ってくれる業者がおらず。
2024年9月に予定されていた本組合への移行が遅れ、12月に開始予定だった建物の解体工事も実施できていない。
街の人からは「早くしてもらったほうがいい。困る」「早く解体に着手して、再開発ビルが完成してほしい」などの声が聞かれた。
■当初の計画では来年に建設開始も「現時点で完成時期は未定」
当初は2025年の建設開始、2029年中の完成を目指していたものの、鈴木部長は「現時点で完成時期は未定と伺っているが、今の計画の事業規模であれば、除却も含め、少なくても4~5年の工事期間は必要と考えている」と話した。
古町地区のにぎわいの創出が期待される再開発計画は、その先行きが見通せない状況となっている。
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