TSK news イット!では「ピックアップ2024」と題して、この時間にお伝えした特集企画で2024年を振り返っています。最終回は、2024年も何かと話題になった島根県松江市の『バズリはんこ屋』にスポットを当てます。世相を巧みに取り入れながら、小さなはんこにアートともいえるミクロの細工を施し、2024年もSNSで話題になりました。
SNSのコメント:
こんにちは。島根県にある小さなはんこ屋が、1.2センチの印鑑の中で、限界の文字数に挑戦しています。今回は87文字に挑戦。しっかり読めていますね!これが職人技なんです!すごいでしょ。
びっしりと刻まれた87文字の会社紹介に…108文字の「寿限無」…さらには160文字の「円周率」。
中の人:
これから1万円札になる渋沢栄一さんが世の中で話題になっていたので、これだと思いまして。
新1万円札の顔・渋沢栄一も。この職人技をX(旧Twitter)に投稿すると、瞬く間にいいねが1万を超え、“バズリ”はんこ屋として全国にその名が知られました。このユニークなはんこを作っているのは、松江市の「永江印祥堂」。1円玉よりも小さなスペースに、驚異的な文字数や絵柄を詰め込む驚愕の職人技を広く知ってもらおうとSNSで発信、その都度多くの反響を呼びました。投稿した中の人も…。
中の人:
冷や汗が出るような…こわい気持ちに近い。びっくりして追いつかなかった、感情が。
さらに…ネットで話題となったオランダのアザラシ幼稚園にのっかって、『茶柱アザラシ印鑑』を製作。Xに投稿したところ、なんと10万いいねが。
中の人:
バズリました。とても驚いていて、率直な感想としては、こんなに反響があるんだと。
アザラシ幼稚園を応援したいと、売り上げの一部を寄付することにしました。
永江印祥堂生産部・村尾直樹さん:
旬が命だって言われていたので。すぐ彫ってくださいという依頼で。
職人にまたもや無茶ぶり…いや懇願して製造・販売したアザラシ印鑑。50本限定で販売したところ、即日完売。そのほか、茶柱アザラシスタンプに…茶柱アザラシネーム印など関連グッズも販売。売り上げアップに貢献しました。
平川翔也アナウンサー:
それにしても、この技術力はすごいですよね。
村上遥アナウンサー:
SNSで注目されることは、会社にとっても、職人にとっても大きな力になったそうです。
平川翔也アナウンサー:
バズリを連発した今年、反響はどうだったのでしょうか。
松江市の永江印祥堂を12月に入り改めて訪ねました。
坂西美香アナウンサー:
茶柱アザラシ印鑑やそのほか関連グッズを販売されていましたが、反響はいかがでしたか?
中の人:
茶柱アザラシ印鑑は予想以上の大反響をいただき、販売当日に即完売となりました。そのほかのアザラシ関連グッズもたくさんの方々にご購入いただき、おかげさまで売り上げの一部をアザラシ幼稚園への寄付にまわすことができました。みなさまの温かいご支援には、本当に感謝しています。
期間限定販売のアザラシ関連グッズは好評で、あわせて84万3606円をオランダのアザラシ幼稚園に寄付したということです。
坂西美香アナウンサー:
今年たくさんのバズリがありましたが、それに付随して売り上げも好調ですか?
中の人:
(昨年は)SNSを始める以前の数十倍の売り上げはあったのですが、今年はさらにそれを上回りまして、昨年の約4倍の売り上げとなりました。
しっかり、バズリの恩恵はあったようです。一方、神業で中の人の無茶ぶりに応えてきた職人は…。
永江印祥堂生産部・村尾直樹課長:
中の人の無茶ぶりもありましたけど、中の人のおかげで弊社の技術を皆様に紹介できたと思っているので、非常の感謝している。
アザラシ印鑑で注目されたことで、紫式部や小野小町などの百人一首印鑑…表情が印象的なじろりネコのネーム印…『もう捺印、失敗しない』がコンセプトの「見えるハンコ」などなど、以前に投稿したユニークな商品を改めて知ってもらえるようになったそうです。2024年もバズリを連発した職人と中の人、2025年の目標は…。
永江印祥堂生産部・村尾直樹課長:
中の人の無茶ぶりに応えまして、より皆様に、弊社の技術を見ていただけたらと思っています。
中の人:
来年以降も、この勢いを活かしてさらに前進し続け、永江印祥堂という松江のはんこ屋をもっと多くの方に知っていただけるよう、全力で取り組んでいきます。
中の人の「目利き」力と、職人の超絶技巧で2025年も新たなバズリを巻き起こしそうです。
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