2022年から補助が続いてきたガソリン補助金。19日に政府の補助金が減額されるため、ガソリン価格が大幅にあがりそうです。1リットル5円近くの値上げを検討するスタンドもあるようです。
■「かなり厳しい。年末の予定考えないと…」ガソリン補助金の縮小で
南波雅俊キャスター:
2022年から続いてきたガソリン補助金の縮小に伴い、12月19日以降ガソリンが値上がりとなります。
レギュラーガソリンの全国平均の価格は、補助がない場合200円を超えている時期もありますが、補助金によって押し下げられ、大体175円前後で推移してきています。
補助金が12月19日から順次縮小されるため、徐々に値上がりしていく可能性があり、12月20日から値上げするガソリンスタンドもあるようです。
街の人からも苦しい声があがりました。
毎日車を利用する人
「仕事上乗らざるを得ないし、かなり厳しい。年末の予定など少し考えないといけない…」
週4回車を利用する人
「ちょっとした距離ならなるべく自転車で我慢。10円でも20円でも安くなってほしいのに」
■ガソリン価格10円上昇→家計負担は年間約5000~6000円増
南波キャスター:
車を持たない人にも影響がありそうです。
みずほリサーチ&テクノロジーズの安川亮太氏は、燃料費の上昇により、物流費や食料費の値上がりにもつながると指摘します。
仮に、ガソリン価格が10円上がると、家計負担は年間で約5000~6000円増えることになります。
日比麻音子キャスター:
世界的に見ても値上がりは先が見通せません。どのように乗り越えていくべきなのでしょうか。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
これからもう石油が昔のように安くなることはないと認識しなければいけません。日本は、多くの石油を輸入することで、毎年膨大な赤字を生み出しています。
本来、こういう事態をきっかけに、再生エネルギーを増やしたり、電気自動車に変えたり、断熱性能を上げたりすることで輸入依存の体制を変えていく必要があるのではないでしょうか。
補助金というのは、場合によってはイノベーションを阻害したり、環境対策に逆行したりしているともいえるのかと思うので、もう少し丁寧に考えていく必要があると思います。
日比キャスター:
ガソリンの値上がりに対する補助のあり方も、見直さないといけないのかもしれません。
東京大学准教授 斎藤さん:
ガソリン価格を一律で下げると、お金持ちも優遇されてしまいます。生活に欠かせないものへの負担が上がっているのは事実なので、低所得者に向けた限定的な支援をするなどの対応が必要だと思います。
例えばドイツでは、公共交通機関が乗り放題になるようなチケットを販売するなどで、人々の生活を支援しています。
■ガソリン価格 安く入れるコツは?
南波キャスター:
少しでも安くなればということで、ガソリンのお得術をご紹介します。
各店舗の価格が一目でわかる、ガソリン価格比較サイト「ゴーゴージーエス」というものがあります。
「ゴーゴージーエス」を運営するゴーゴーラボの宗像祐典代表によると、ガソリン料金は、▼幹線道路沿い、▼都市部から少し離れた地域は安い傾向にあるということです。
まだ、独自ブランドの店舗周辺も狙い目だということです。
例えばコストコも、独自ブランドでガソリンを供給しているのですが、全国平均が172円/1L(レギュラー現金・12月12日時点)のところ、155円となっています。その周辺でも価格競争が起きていて、164円や163円と表示されているガソリンスタンドが確認できます。
■自宅から離れたガソリンスタンド 本当にお得?
南波キャスター:
では、自宅から離れたガソリンスタンドを利用するのはお得なのでしょうか。
【燃費20キロ/1Lの乗用車で30Lのガソリンを入れる場合】
●自宅近くで給油(平均価格172円/L)→5160円
●コストコ周辺で給油(価格163円/L 新三郷の場合)→4890円
つまり、270円(1.65L分)お得になりますが、移動でガソリンを消費してしまうため、片道16キロ以上遠いと損することになります。
日比キャスター:
最近、地図アプリを使うと「こちらの道の方がガソリンの消費量を何%減らせる」というような表示があったりします。ガソリンの価格の上昇には抗えないので、そうした情報を得て、前向きに乗り越えていきたいですね。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破
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