不動産大手・森ビルのシンクタンク都市戦略研究所は10日、2024年の「世界の都市総合力ランキング」を発表した。東京は9年連続で3位、大阪が前年の37位から2つ順位を上げて35位、福岡は去年に続き42位だった。

「世界の都市総合力ランキング」は、世界の主要48都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で評価し、ランキングしたもの。

2024年は、1位はロンドン、2位はニューヨーク、4位パリ、5位シンガポールで、去年から上位のランキングに変化はなかった。

総合3位をキープした東京は、コロナ禍後に外国人訪問客が増加した事から「文化・交流」分野が前年の5位から3位に上昇し、初めてトップ3に入った。

観光地の充実度(11位)、ナイトライフの充実度(8位)も改善していて、従来は弱みとされていた「ハイクラスホテル客室数」も12位まで上昇した。観光資源がスコアを押し上げ、2位のニューヨークとの差を前年よりも縮めた。

一方で、2016年には1位だった「経済」分野は10位だった。「世界トップ500企業」「上場株式時価総額」が強い一方、円安の影響で「GDP」のスコアが大幅に下落した。「賃金水準の高さ」や「優秀な人材確保の容易性」でもスコア減となるなど、ビジネス環境で苦戦している。

「居住」分野では、円安の影響で「住宅賃料水準の低さ」や「物価水準の低さ」などの生活コストが高評価され、3位を維持した。

都市戦略研究所は、「東京の都市力向上の鍵である『経済』では、賃金水準や働き方の多様性など高度人材を惹きつけるビジネス環境や、高い法人税率などビジネスの困難さが課題として挙げられる」と指摘。「評価された観光資源の豊富さなど、東京の今の強みをさらに伸ばし 、活用しながら、『経済』の評価向上に努めることが都市力向上の鍵だと考える」としている。

総合順位は以下の通り。カッコ内は2023年の順位

1位 ロンドン(1)
2位 ニューヨーク(2)
3位 東京(3)
4位 パリ(4)
5位 シンガポール(5)
6位 ソウル(7)
7位 アムステルダム(6)
8位 ドバイ(8)
9位 ベルリン(10)
10位 マドリード(14)
11位 上海(15)
12位 コペンハーゲン(11)
13位 メルボルン(9)
14位 ストックホルム(16)
15位 ウィーン(13)
16位 北京(17)
17位 シドニー(12)
18位 香港(18)
19位 バルセロナ(22)
20位 チューリッヒ(19)
21位 ダブリン(28)
22位 ロサンゼルス(21)
23位 フランクフルト(20)
24位 トロント(23)
25位 サンフランシスコ(27)
26位 ブリュッセル(24)
27位 シカゴ(25)
28位 ジュネーブ(26)
29位 ヘルシンキ(31)
30位 台北(35)
31位 ミラノ(33)
32位 イスタンブール(30)33位 ボストン(29)
34位 モスクワ(34)
35位 大阪(37)
36位 バンクーバー(32)
37位 ワシントンDC(36)
38位 テルアビブ(40)
39位 バンコク(38)
40位 サンパウロ(39)
41位 クアラルンプール(41)
42位 福岡(42)
43位 ブエノスアイレス(44)
44位 メキシコシティ(43)
45位 ジャカルタ(45)
46位 カイロ(47)
47位 ヨハネスブルク(46)
48位 ムンバイ(48)

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