パナソニックスタジアム吹田にて、234の企業や団体が集い、SDGsに関連する取り組みを紹介
<初開催の「ステハジ」EXPOが、脱プラスチックに向けた企業の共創を強調し新たなイノベーションの可能性を示した>
日本人1人当たりの年間プラスチック容器包装の破棄量は約32キログラムで、アメリカに次ぐ世界第2位とされている。そんな「プラごみ大国」の日本で、脱プラを推進する企業がある。株式会社OSGコーポレーション(以下、OSG)だ。
OSGは1970年に大阪府で創業し、家庭用・業務用・産業用の電解水素水(アルカリイオン水)生成器、次亜塩素酸水(除菌水)生成器など、水に関する様々な事業を展開する。
同社は、2019年より「使い捨ては恥ずかしい」「さあ、みんなでサステナブルはじめよう!」といったメッセージを掲げ、意識と行動を少し変えるだけで、プラごみ問題などの社会課題を解決できることを訴える「ステハジ」プロジェクトを展開。現在、その主旨に賛同する400を超える企業・自治体・団体・教育機関・プロスポーツクラブなどが「共創」メンバーとしてプロジェクトに参加している。
プロジェクトは「2つのチャレンジ」と「共育(ともにそだてる)体験」を軸に展開している。
2つのチャレンジは、ペットボトル削減を目指した取り組みだ。マイボトルの使用を促進し、年間234億本出荷されると言われるペットボトルの5分の1強にあたる50億本を、2025年までに削減すること、そしてマイボトルに給水できるスポットを10万カ所まで拡大することを目指している。
共育体験は、ビーチクリーン活動などを通じて海洋プラスチック問題に向き合うきっかけを提供する、サステナブルな学びの場だ。
ステハジの取り組みが特に画期的なのが、象印、タイガー、ピーコック、ポケトルなど、魔法瓶を扱う企業が共創していることだ。ライバル企業が手を取り合い、そこにアーバンリサーチが加わり、ペットボトル削減という大きな目標に向けたスクラムを組んだ背景には、給水器を提供するOSGの功績がある。
9月20日、ステハジ・プロジェクトのさらなる発展を目指すステハジEXPOが初開催された。「共創から新結合・変革へ」を新たなテーマに、共創メンバーが集まり、大規模なイベントがガンバ大阪のホームスタジアム、パナソニックスタジアム吹田で行われた。ステハジEXPOには234の企業や団体が参加し、スタジアムのコンコースでブースを出展。SDGs関連の商品やサービス、取り組みを紹介し、PRした。異業種の共創メンバーが一堂に会すことで、新たな繋がりが生まれ、イノベーションが萌芽。そのような出会いを創出する「プラットフォーム」として機能するイベントだ。
会場ではOSGによるステハジ・ブースも出展された。ステハジ・プラ干狩り体験(潮干狩りのようにプラごみを回収)やステハジ2050年海洋プラごみ体験(アジ6匹分に相当するプラごみの量を体感)など、プロジェクトに関連する体験型イベントが用意されていた。
ステハジ・プラ干狩り体験とステハジ2050年海洋プラごみ体験の様子また、プロジェクトの理念を体現する取り組みである「カリカエ」も実施された。この取り組みは、これまでのステハジ・イベントでも行われてきたもので、利用者がボトルを「カリて(借りて)カエす(返す)」というプロセスを通じてマイボトルでの給水を体験できる。
ボトルをカリてカエす体験ができる「カリカエ」ブースこれにより、安易にペットボトルを購入して廃棄するという行動を見直すきっかけを提供している。会場内ではカーボンオフセットが実施され、リユース食器を使用する飲食ブースなど、イベント全体で多彩なサステナブルな取り組みが展開された。
マイボトルでギネス世界記録
OSGは今回、「マイボトルの持ち歩きの啓発」をギネス世界記録の体験を通して実施した。会場にマイボトルを持参するよう促すだけでは、いつもの日常と変わらず、新たな行動変容は期待できない。そこで、持参したマイボトルを使ってギネス世界記録に参加でき、記録保持者にもなれるよう企画した。
目標1000本の挑戦は、最終的に1096本のボトルが集まりステハジの文字を描くことに成功。記録保持者が今後ギネス世界記録について話す際、「マイボトルの持ち歩き」と「ステハジ」が自然にセットで広がっていく仕掛けも、この企画のユニークな魅力の一つだった。
1096本のボトルで描かれた「ステハジ」の文字ステハジEXPOでは、吉村洋文大阪府知事からの祝辞や、吉本興業の芸人によるパフォーマンスが行われ、さらに2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」も登場。これらすべてが、ステハジを通じた共創の成果として実現した。万博では、ステハジ・プロジェクトの一環として、OSGが屋外給水スポットの運営を担当する。
なかでも来場者の注目を集めたのが、OSGの山田啓輔社長と元サッカー日本代表監督の岡田武史氏による対談だった。アーバンリサーチとの共創をきっかけに実現したこの対談では、ワールドカップ出場にまつわる裏話が披露されただけでなく、岡田氏が40年以上にわたって取り組んできた環境活動についても深く掘り下げられた。
そのなかで岡田氏は、「我々は次世代の子供や孫たちが希望を持って生きていける未来を繋いでいかなければならない。そうした観点からもこの活動は本当に素晴らしいと思うので、ぜひこれからも続けていただきたい」と、ステハジ・プロジェクトに熱いエールを送り、スタジアムを大いに盛り上げた。
OSGの山田啓輔社長(左)と元サッカー日本代表監督の岡田武史氏ステハジ・プロジェクトは、「使い捨ては恥ずかしい」というモットーのもと、マイボトルの持参を推進し、脱プラの取り組みを通じて、岡田氏の言うとおり次世代に持続可能な社会とそれによる希望を託す重要な活動だ。
共創メンバーが一堂に会し、新たな繋がりやイノベーションが実現した今回のEXPOは、「共創から新結合・変革」というテーマを体現し、プロジェクトのさらなる躍進を強く印象付けるものとなった。
●問い合わせ先
株式会社OSGコーポレーション
osg-nandemonet.co.jp
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