食卓を豊かにするフルーツ。そのおいしさを100年に渡って伝え続ける企業がある。それが福島県郡山市に本社がある青木商店だ。最近では果物を加工した生搾りジュース、さらには、フルーツをふんだんに使ったタルトにも力を入れている。バナナ問屋から始まって今年で100周年ということで、その魅力を探ってきた。

<フルーツのプロ>
「若干実が柔らかめの果肉。りんごで堅いのがお好きであれば、今召し上がった『ぐんま名月』ですとか」
色鮮やかな果物が並ぶ「フルーツショップ青木」。運営する青木商店は、フルーツを使った事業を手がける果物専門店。「果物のプロ」として常に30種類から40種類ほどの商品を取りそろえている。

フルーツショップ青木・松崎智佳子さん:「(そちらに光っているバッジはなんですか?)こちらはですね、フルーツスペシャリストのバッジになります」

社内独自の資格制度を設け、スタッフもフルーツの知識を高めて接客している。
大阪府から出張で来た利用客は「いろいろ、フルーツに詳しくて、美味しそうなのを、どれも案内していただいたので、選ぶのも、選びやすかったです」と話す。

<鮮度を保つ温度管理>
午前6時頃。福島県本宮市の物流拠点に、東京の市場で買い付けたばかりの果物が到着。店に並ぶフルーツは、目利きのスタッフが厳選したものだ。
青木商店・製造物流部の伊藤貴則部長は「こちらの温度設定は、2度に設定しておりまして、果物が痛まないような状態を保つための温度設定をしております」という。

旬のおいしさを味わってもらうために!「鮮度」や「食べ頃」にこだわって、商品を提供している。伊藤部長は「こちらが今日届いたバナナの状態です。それをこの部屋で追熟していきますと、このように色が上がってくる。食べごろになってくるということで」と話す。

<今年で創業100周年>
郡山市に本社がある青木商店の創業は100年前。バナナ加工・卸売業としてスタートした。バナナの輸入禁止措置や8・5水害での被害などを乗り越え、全国で207店舗を展開。フルーツを生活に欠かせない「必需品」にしようと、消費者に届けてきた。
青木商店の青木信博会長は「東京にいかなくても、郡山でその時点で、世界一美味しい果物が食べれますよということに、したいということで、努力してきました」と話す。

<フルーツジュースで躍進>
この青木商店が飛躍するきっかけとなったのが…「お待たせいたしました。バナナミルクでございます」
「フルーツバーAOKI」などのフルーツジュースの店だ。
22年前に1号店を郡山市のうすい百貨店にオープン。消費者のニーズを捉え、果物をしぼって手軽に味わえるようにした。
青木会長は「お母さんが一生懸命夕ご飯の準備をするんじゃなくて、お母さんも仕事を持っているので、素材を買う時代から、調理済み食品を買う時代になったんだと」と話す。商業施設への展開を増やし、業績は急拡大。

<スイーツで笑顔に>
さらに、甘いもの好きを虜にしているのが…「おいしい!甘い。めっちゃフルーツ甘い!」おもわず笑みがこぼれてしまうフルーツタルト。こちらは2004年から専門店を始め、「スイーツでホッとしたい!」という需要を取り込んでいる。
青木商店の青木大輔社長は「食事をやっぱり、ちょっと今までよりは少し贅沢にというようなそういった時に、デザートにケーキを(食べる)。そういった流れで、やはりコロナの時期ってスイーツなどテイクアウトのお持ち帰りで、家で食べるという需要が増えたのかなと思っています」と話す。

<売上は100億円突破>
2年前に工場を拡げてフルーツタルトの生産能力は2.5倍に。2023年、青木商店の売り上げは初めて100億円を越え、その原動力になった。
青木会長は「ケーキにするには、ケーキに向いた果物の熟度がある。その熟度管理が、我々は果物屋なので出来る。これが我々の強みであり、果物をやっているメリットだと思います」と語る。

<笑顔と健康を追及>
フルーツにとことんこだわり、食べる人を笑顔したい!次の100年に向けて青木商店の挑戦は続く。
「笑顔、健康、それを追及していって、世の中に役立っていくことが我々の仕事なんですよ。これは100年間変わらなかった我々の思いです」青木信博会長はそう話した。

<2025年は社名変更「青木フルーツ」に>
青木商店は11月に行われた100周年の記念式典で、2025年3月に社名を「青木フルーツ」に変更すると発表した。「フルーツ」を社名に入れることで、フルーツに敬意を払いフルーツと歩んでいく思いを込めたという。
そして、青木フルーツの新しいロゴマーク。色鮮やかなフルーツで恵みの雨のように多くの人たちを潤していくことをイメージしたデザインになっている。
青木商店では、次の100年も時代や消費者のニーズに合ったフルーツを提供して、地域貢献を図っていくとしている。

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