協定を締結した甲賀市の岩永裕貴市長(左から2人目)、滋賀銀行の田中伸幸常務(同4人目)ら(13日、甲賀市)=同行提供

たぬきの置物で知られる信楽焼の産地(滋賀県甲賀市)の再興に滋賀銀行が乗り出す。使われなくなった窯元、家屋などを管理し、クリエーターらに貸す新事業を担う「信楽まちづくり」(甲賀市)を金融面で支援する。文化庁の日本遺産「日本六古窯」の一つである信楽で地域振興の新たなモデルを探る。

滋賀銀、信楽まちづくり、甲賀市の3者が連携協定を締結した。支援策の有力案は滋賀銀と民間都市開発推進機構(MINTO機構)の共同出資による「まちづくりファンド」の立ち上げ。ファンドが信楽まちづくりに出資するほか、同社の社債を引き受け、配当や利払いなどを受け取る。空き施設のユーザーを巡る法人があれば発行する債券を購入する可能性もある。滋賀銀による直接融資も検討する。

信楽高原鉄道の信楽駅ではたぬきの焼き物が旅客を迎える(2023年)

滋賀銀によると信楽焼は安価な輸入品などに押され、生産額はピークだった1990年代前半の2割以下に落ち込む。滋賀銀と甲賀市は2022年度から空き施設の活用方法を調査。所有者から施設を借り受け(マスターリース)、改修したうえで希望者にサブリースするスキームの事業化にメドがつき、9月、地域の有力窯元、明山陶業(甲賀市)を軸とする3社が事業を担う信楽まちづくりを設立した。

滋賀銀ソリューション営業室の西村匡人調査役は「2025年度の具体化を目指す」と説明した。

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